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■幽香1 僕はいつの間にか向日葵畑に居た。 いつ何時でも太陽の方を向く向日葵。それはまるで太陽という歌手を見る 観客といった感じだ。 どうして僕は、こんな所に居るんだろう? その疑問はここに来た時点で、とっくに捨てた。 この広い大きすぎる向日葵畑の景色を見ていたら、いつの間にかそんな疑問は 吹き飛んでいた。 「あらあら、ただの人間がこんな所に何の御用かしら?」 と、僕の背後からそんな気楽な声が聞こえた。 振り返ると、そこに立っていたのは傘を差した一人の女。 そのあまりにも自然な光景に、僕は一瞬、心を奪われていた。 「さぁ、話して。ここに、何の用なのか」 その女は僕に向かって再度問い掛ける。 「別に、特に用はないですよ。気がついたらここにいたんです」 「そう…」 僕のその言葉に、彼女は表情を変えずに小さく息を吐く。 ざわ…ざわ。 何故だろう?彼女と言う存在が現れたときから、妙な違和感を感じる。 その証拠に、奇妙なことに向日葵が騒いでいるような感じがするのだ。 「あなた、人間よね?」 「えぇ、まぁ…」 ドクン 心臓が高鳴る。今まで感じた事のないような圧力。 その威圧感が彼女から出ているものだと、ようやく僕は気付いた。 「さぁ…どうする?」 今までにない恐怖。足は震えて立っているのもやっとだ。 蛇に睨まれた蛙のように、僕は動く事が出来ない。 その彼女の笑顔は、僕の恐怖を増長させる。 「さぁ、あなたは帰りなさい」 「え?」 「帰りなさいと言ったの。十分に恐怖は味わったでしょ?」 いつの間にか威圧感と言うものはすっかりと消えて、震えは止まっていた。 あれだけの威圧感を出せるとしたら、相当な人間…いや、妖怪だ。 周囲の向日葵が落ち着きだす。 「あなたは…?」 「風見幽香。ここに住む妖怪」 彼女――幽香は振り返りながら言う。既に僕に対する興味は失ったようだ。 傘を差した後姿を、僕はずっと見送っていた。 奇妙な事に、あの時より僕は彼女のことが気になり始めたのだ。 僕がすぐに恐怖するほどの威圧感を持ち、その上それを隠さない あの可憐な妖怪が。 僕はその次の日もその向日葵畑に来ていた。 あれだけの恐怖を与えられても、尚ここに来たと言う事は 結構、酔狂な人間になるようだ。 「また来たの?」 居るだけで威圧されるような、その笑顔。 そしてそれに似合わないゆったりとした声。 「えぇ、また来ましたよ」 周りの向日葵はざわざわと音を奏でて一斉に僕の方を向いた。 恐怖と言うよりも、むしろ歓喜。 僕と彼女がここに来たと言う事を喜ぶような向日葵のざわめき。 「本当の恐怖を教えて欲しいのかしら?」 「昨日までで十分に教えてもらいましたけどね」 彼女は笑顔で表情を固めながら、僕を見る。 昨日で十分、彼女の恐怖は味わった。威圧にも、ちょっとだけ慣れた。 その証拠に、足は昨日ほど震えてはいない。 「あなたは何でここに来たのかしら。ここはあなたの様な人間が簡単に足を踏み入れて いい場所じゃない。帰りなさい」 優雅に何かの花びらが舞い上がり、彼女――幽香の周りに集まってくる。 「僕は…」 「あなたのことはどうでもいいわ。ここの向日葵は侵入者に過敏なの。 さっさと出て行きなさい」 「…嫌です」 幽香はビックリしたように、僕の方を見ていた。 やがて、その顔が不敵に崩れた。 「ふうん…つまり、あなたはここで虐められたいのね?」 「…そういう訳でもないんですけど」 「じゃあ、どういう訳かしら?」 その笑顔。屈託のない笑顔に対して、僕は目を逸らした。 僕の様子があまりにも不自然だった為か、幽香は訝しげに 顔を覗き込む。 「ぼ、僕は…」 ただ好奇心の赴くままに、ここに来たと言ったら彼女はどんな顔をするんだろう? また帰るように言うんだろうか? 「…あなたが、気になったから」 言うのは恥ずかしかったけど、僕は本音を言った。 ただの好奇心とか、そういうのは多分建前で、僕は彼女が 気になっているんだろう。 「そ、そう。私が気になったの」 「はい」 「…だったら――」 周りに漂っていた花びらが一斉に巻き上がる。 「あなたを虐めてもいいわよね?」 それは明らかな攻撃のサイン。目の前の彼女は僕に恐怖するように 威圧すらかけている。 しかし、先ほどの言葉で動揺したのか、昨日と比べるとその威圧感は まるで涼風だった。 「どうぞ。僕を…虐めたいんでしょう?」 「…!」 僕の身体に次々に打ち込まれていく花の弾。 肉を貫いているのか、それとも貫いていないのか、感覚が なくなるまで僕は立っていた。 幾多もの弾が打ち込まれて、ようやく気が済んだのか幽香は僕に背を向けた。 当の僕はと言うと、既に地面に倒れていた。 妖怪は人間を食らうものだし、正直、彼女に食われても悔いはない。 そんな事を考えながら、僕の思考はフェードアウトしていった。 意識が次第にはっきりとしてくる。それに伴って蘇ってくる痛覚。 背景は既にオレンジとなっていた。 「目が覚めたかしら?」 僕を見下ろす形で幽香が立っていた。 きっと僕を傷つけた罪悪感なんて欠片もないだろう。 「…まぁ、一応は」 まだ痛む体を押さえ立とうとするが、力は入らない。 それにしても…僕は食われなかったのか。ある意味、運が良かったのかもしれない。 「さぁ、帰りなさい」 ゆったりとした笑顔で話す幽香。 「ダメですよ。僕は、まだあなたに名前すら教えてないんですから」 「聞いていないわよ」 ふぅ、とため息を吐く幽香。 どうやら、僕の様子に完全に呆れているようだ。 「どうして私にそこまで関わろうとするのかしら?私はあなたのような人間が足元にも 及ばない妖怪よ?現にあなたは私相手に満身創痍よ。あなたは人間として おかしいわ」 確かに、ここまでされて尚も関わろうとする人間は異常者以外の何者でもないだろう。 何で僕がここまでしているのか、自分でも分からない。 しかし、推測なら…いくらでもある。 「僕は…きっと、あなたが好きなんだ。一日で咲く花があるように… 僕は初めて会った時にあなたに恋をした。その恋の花は…あなただけの物だ」 頭の中はすでに空っぽに近い。 こんなにも傷が痛むのは、妖怪に恋をしたから、神が罰を与えたのかもしれない。 でも、言う事ができた。 「もし叶うなら妖怪さん、ご返事を」 「…六十年」 彼女は言う。 「六十年…回帰の時が訪れて、あなたが私を忘れず、ここに来れたら考えてもいいわ」 どうやら今のこの傷じゃ、僕はもう助かりようがない。 眠い…。 どうやら『今の』僕はここで終わりらしい。『次の』僕はちゃんと彼女の事を 覚えてくれるだろうか? 「幽香…」 僕は最後に彼女の名前を呼んだ。 向日葵畑を、僕は歩く。 ここに着いて間もないはずなのに、僕は何故かここに来た事がある気がした。 ひたすらに歩き、太陽を向く向日葵を僕は見る。 ここに来てから、何故か威圧感を感じて、それでいてやっぱり妙な 懐かしさを感じていた。 「あらあら、ただの人間がこんな所に何の御用かしら?」 はっきりとした女性の声が響いた。 そして、向日葵達がざわめき立つ。 「さぁ、話して。ここに、何の用なのか」 「…僕は、あなたに会いに来たんです」 「…?」 「やっと、分かったんです。あなたが…風見幽香、ですね?」 次々と鮮明になる恐らく自分の記憶。 彼女に殺されたこと、最後に交わした約束。 もっとも、六十年経った今彼女が覚えているか分からないけど。 「あぁ、もしかして…あの時の?」 「覚えていたんですか?」 「あそこまで変な人間はあなたくらいなものよ」 「そう、ですか?」 「そうよ」 彼女は威圧するような笑顔でなく、柔らかな笑顔で 笑った。 1スレ目 510 519-522 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「こんな所に向日葵畑なんてあったんだな」 周りは一面花、花、花。こんな所もあったんだなぁなんて感心してしまう。 俺は人里では強い分類で弾幕も撃ててその辺の妖怪なら簡単に倒せる。その上空を飛べたりもする。 そのせいで周りからは避けられてしまい人里から離れたところに住むことにしたわけだ。 たまに慧音様も来てくれて色々聞いてくる、最近は妖怪が来ないとか色々と。あんたが強いからじゃん。 暇だったので色々と彷徨っているうちに遠くに黄色の絨毯が見えたからこうやって来たわけだ。 「あら、珍しいわねここに人が来るなんて」 いきなり声をかけられて後ろを向いてみると、緑髪の傘を差した女が立っていた。大体身長は同じくらいか? こんな辺鄙な所に人間が来るわけ無いな、そう思い俺は身構えた。 「あらあら、いきなり身構えちゃって。そんなに苛められたいのかしら?」 余裕の笑みを崩さないその少女はそんな事を言ってきた。ついでだが俺はマゾではない。 多少の殺気を感じて思わず後ずさりをしてしまった。 「あなたに逃げ道はない、勿論上もね」 周りを見てみると向日葵が全部こっちの方向を向いている。なるほど、種で蜂の巣にするつもりか。正直ゴメンだ。 「さ、蜂の巣になるか苛められるか、どっち?」 勿論分が悪い蜂の巣を取るわけが無い、そう思って俺は上に飛んだ。蜂の巣を選んだ人は撤収。 「苛められるほうね、私もそっちのほうがいいわ」 同時に少女もこちらにあわせて飛んできた。 「少しは楽しませてちょうだいね?」 そういって彼女と弾幕ごっこを開始した。 目の前に写るのは弾、弾、弾、花。コレは・・・無理。 「あんまり張り合いが無いわね・・・もう少し粘れなかったの?」 「む、無理だって・・・」 案の定俺は負けた、避ける事しかできずに弾の一発も撃てなかった。 あんな攻撃の中でもこの女は余裕の笑みを全く変えずにいた。やっぱり強いな、こいつ。 さて、帰らないといけないが・・・思うように体が動かない、ダメージを受けすぎたな。 「帰りたい?」 「う、まぁ」 「そう、じゃあちょっと待ってね」 そう言って少女はブツブツ呟き始めた。その後俺の体が光に包まれると同時に体の傷が全部消えた。 「どうもありが・・・あれ?」 いない、どうしたのだろうか?まぁいいか、とりあえず帰ろう。 「あの向日葵畑に行って風見幽香に出会って生き延びただと?」 家に帰ったら慧音様が居たのでさっき起こった出来事を話してみると慧音様はありえないと言った様な声を出した。 どうやらあの緑髪の女は風見幽香と言う妖怪らしく、出会って生き延びた者は居ないらしい。運がよかったのか? それにしても何かとあの少女、風見幽香のことが頭から離れない。奴は何者だ?・・・妖怪だ。 「ふむ、運が良かったか・・・本当にそうかな?・・・少し用事を思い出したのですまんが失礼する」 その後もなんかブツブツ言いながら帰っていった。とりあえず眠かったので飯を食べて寝た。 翌日も風見幽香のことが頭から離れずにいて、思い切ってもう一度行くことにしてみた。 やはり一面黄色、いつみても凄いなコレは。 「あら、また来たの?あんたも懲りないわね」 「なんか気になってな」 嘘ではない、実際思いっきり気になっている。 「そう?じゃあ前の時と同じように」 「『蜂の巣と苛められるのどっちがいい?』」 「それは私のセリフよ」 「先が読めればいいんじゃないのか?」 「読めれば心にとどめておく、外に出したら駄目よ」 なんてことを喋りながら上に飛ぶ、今度はもう少し粘ってみようか。 「じゃあノルマは昨日の二倍よ?」 「一,五倍にならないか?」 「三倍にする?」 「二倍でよろしくお願いします」 「また負けた・・・」 「当たり前よ、それに私はまだ本気じゃないわ」 あれでまだ本気じゃないって・・・こいつは底なしか。 「そういえばノルマはどうなっていたんだ?」 「覚えてないわ」 じゃあ二倍とか言わなくて良かったじゃないか・・・。 「さて、帰らないと・・・」 「その体で帰るつもり?」 「う・・・」 また動けない、前回より酷いみたいだ。 前回同様に風見幽香はブツブツ言い、体が元に戻ったと思うと消えてしまうのだ。 やっぱり首をかしげながら家に帰り、そのまま寝た。 翌日もその翌日もそのまた翌日も俺は向日葵畑に向かっていた。 日に日に避け続ける時間は延びていったがそれでも勝てた例は無い。 そんな日が続いて俺と幽香が出会って一週間が過ぎた日、いつもの通り弾幕ごっこを終わらせて幽香はいきなりこんな事を聞いてきた。 「ねぇ、こんなのやってて楽しい?」 楽しいわけが無い、こっちは必死でやっているんだ、下手したら死ぬし。しかし、なぜか俺は楽しいと感じていた。 「ああ、よく解らないけどなんか楽しい」 「こんな事が一生続いたらいいと思う?」 何でこんな事を聞いているんだ?そんな事を思いつつも正直に答える。 「そうだなぁ・・・続いたらいいと思うな」 どっかの蓬莱人みたいにはなりたくないけど。 「そう。でもそれは無理。なぜなら私は妖怪、あなたは人間だもの」 「だけど何もやってないのに無理と決め付けないほうがいいぞ?」 「そう、そうやって人間は幾度と無く無理をしてきた。得るものもあったけど失ったものもあったわ」 「それでも、それは後のためになる。無理と決め付ける前にやってみるのも人間のいいところだ」 「そうかもしれないわね。さて、今日はやる事があるからさっさと帰りなさい。でないと花にするわよ?」 「はいはい、解りましたよ・・・。・・・・・・あ」 「どうしたの?」 「・・・体が動かない」 「ふふ、しょうがないわね」 そういえばこんなに話したことはなかったな。回復されながら俺はそう考えていた。 たしか、ここら辺だったわね・・・。まったく、ここには花が無いのかしら? あ、あった。相変わらず中は散らかってるでしょうに。そう思いながらもドアを叩く。 「あー?って幽香か珍しいな。それで、何か用か?」 毎度毎度この接客はなってないと思うと思うけど表情には出さない。 「・・・魔理沙、ちょっと頼みたい事があるのよ」 他人に頼むのは癪だけど今の状況じゃあそんな事は関係ない、あの人が言っていたようにやるだけのことはやってみようと思う。 「・・・・わかった、中に入れ」 散らかってるんでしょうね、そう思いながら私は中に入った。 「へぇ、幽香も変なこと言うわね・・・元々変な奴だけど」 なんてことを博麗神社の巫女、博麗霊夢と話していた。霊夢とはお茶のみ仲間、なにかとお世話になることが多い。 「なんだろう、何か意味しているとは思うけど・・・変だな」 「私にしてはあんたと幽香が出会ってること自体が変よ」 毎回容赦がない。まぁそれがいいんだけど。 「でも、そろそろその答えが出てくるかもしれないわ」 「何でそんな事が解るんだ?」 「勘よ」 霊夢の勘は良く当たる、注意しておかないと。・・・っとそろそろ時間だ。 「さて、そろそろ行きますか」 「待って、行く前に伝えておくわ」 「なんだ?」 「あなたはまだ死んではいけないわ、死んだら悲しむ人が居る。私も悲しいけどそれ以上に悲しむ人が居るわ。それだけ」 「ああ、肝に銘じておくよ」 霊夢の話に多少の疑問を感じながらも俺は幽香の居るところ、向日葵畑に向かった。 「遅かったわね、待ちくたびれたわ」 「別に決めてないだろ?」 今回は雰囲気が違う、話をしていてよく解った。 「そうね、それより今日はあなたに言いたい事があるの」 「?」 「私は、どうやらあなたの事が好きみたいなのよ」 「へ?」 いきなりのぶっちゃけ発言に脳内が混乱中です。整理中、整理中・・・。 えっと、つまりは俺の事が好きだってこと?よくみると幽香の顔がほんのり赤い。 「それであなたの事が好きだから私はあなたを全力で倒す事にしたわ」 意味が解らない、話が飛躍しすぎですよ? 「な、なんで?」 「愛ゆえに、かしら」 一瞬頭の中で慧音様が愛ユエニ!愛ユエニ!と叫びながらバズーカを持って暴走している姿が見えた。 あー、里の子供達がみたら泣くわ絶対。 それはそうと、愛ゆえに全力で倒して何をするつもりだ? 「そういうことだから、覚悟してもらうわよ?私の本気だから気をつけることね」 気をつけるも何も死ぬって。 「それじゃあいつも通り、『蜂の巣と苛められるのどっちがいい?』」 「苛められる以外の選択肢は無いと見えるが」 「大・正・解。それじゃあ行くわよ!」 何処を見ても弾、花、弾、花。かろうじて避けているけど・・・到底無理。 っと、危ない危ない。こちらも攻撃しなければ意味がない・・・か。 「どうしたの?避けるだけじゃあ終わらないわよ」 っていうか殺気が酷いよ、あんなの避けるの厳しいって。 この弾幕避けていると解るが今までやってきた弾幕は甘っちょろいものだとよく解った。 それでも何度もやったから避けるのは・・・慣れてきた! 「っ!う、うわっ!」 突如バランスを崩して俺の体がよろけた。無論この隙を逃す幽香ではあるまい。 「それじゃあコレでお終いにするわね」 いきなり幽香が二人に分身した。その後すぐに強大な魔力を感じた、拙いこのままじゃ・・! 『デュアルスパーク』 二体から出た光の弾道は俺の体を貫くと思ったら俺の体、大体胸辺りに吸い込まれていくように入っていった。 な、なんだこれは? 「・・・・!」 デュアルスパークが終わったと同時に俺の体に激痛が走った。痛すぎて声も出ない。 体が動かない、だんだん意識も薄れてきた。俺は、死ぬのか・・・・。 (いいか、まずお前の魔力を対象にぶつける。魔力の量は大きいほうが良いが多すぎたって良いわけじゃない、大きすぎると魔法を使う前に体が破裂する。 あと、一度でも本気を見せた奴じゃないと成功はしないぜ) とりあえず下準備はコレで良いのかしら・・・。あとは、えっと。 (次に対象にこの魔方陣を書いた後に呪文を唱える) 魔方陣を書いてっと、えっと呪文は・・・。 「ブツブツ」 これでよしっと、それで最後は・・・。 (ここまで来たらあとは簡単だぜ、相手にもよるけどな。何をするかって言うと) 「私の初めて口づけ、あなたにあげるわよ?感謝しなさいな」 (キスをするんだぜ) 『契約執行』 う~ん、何があったんだろう妙に意識がはっきりする。死んだんじゃなかったのか? 起き上がってみると幽香が笑いながらこっちを見ている、そんなに面白いか。 ひとまずこの事が起こった元凶に話を聞かないと。 「なんで生きてるんだ?俺は」 「そうねぇ。私が生かしたから、かしら」 「生かした?」 ってことは普通なら死んでるってことか。 「そう。そのおかげでこれからあなたは私の従者よ」 「従者?」 なんかどっかのメイドみたいだな。そもそも俺が従者って・・・。 「あなたと私は正式に契約をしたの、だから私の従者」 「いつだ?」 「あなたが気を失っている間」 おいおい、有無を言わせないで契約ですか。 「これであなたと私はずっと一緒よ。ずっとね」 「ずっと一緒か・・・」 「うれしくない?」 「うれしいさ、だって俺も幽香のことが、・・・好きだからな」 「ふふ、ありがと。でも、主人には敬語で」 「はいはい。わかりました、幽香様」 これでずっと一緒にいられるわけか。なんだか楽しくなってきた、なぜかは知らないが。 「さて、それじゃあまたやりましょうか、傷も治ってるし」 「ま、また?」 「敬語って言ってるでしょ。大丈夫よ、手加減してあげるから」 「わかっ、わかりましたよ・・・」 「いま間違えそうになったでしょ」 「いえ、別に」 そういって二人は空へ飛び。 戦い合う。 蛇足 「へぇ、そんなことがねぇ・・・」 「まぁ今となれば良い思い出かな」 あの時のことはもうすでに良き思い出だ。 「この後ろで寝ている奴がねぇ、ありえないわ」 「すー、すー・・・」 幽香様は俺におんぶされながら静かな寝息を立てている。まったくあの時の威厳は何処へやら・・・。 「本当だ、あの威厳は何処へやらだな」 「でも、前の幽香は人前で寝るなんてことしなかったわ」 「そうだよな、なんでこうなったんだろう・・・はぁ」 「紫と結構似ているかもしれないわね」 「あのスキマ妖怪と?」 「紫だって最初からあんなにだらけてた訳じゃないのよ。昔はあの姿から想像もつかないようだったって言ってたわね、式が」 「それと何の関係が?」 「鈍いわね、紫も幽香も強い妖怪よ。強い妖怪ほど孤独感を嫌というほど味わっていたから、ずっと一緒に居られる人物を見つけると こうなるのかもしれないわね。長生きすればするほど内面は弱くなっていくのよ、別の意味でね」 「そんなものかな」 「永遠に一人で生きるなんて到底無理ね、だからあなたも幽香を大切にしなきゃ駄目よ?」 「主人を大切にしない従者が居ると思うか?」 「私には解らないわ」 「霊夢らしいな。さて、帰るとするよ」 「また来なさいよ。ご主人様と一緒にね」 「ああ、またな」 「あーあ、幽香様ももう少し威厳を持ったっていいんじゃないだろうかな」 「すー、すー・・・ずっと一緒だよ?すー、すー」 「ええ、ずっと一緒ですよ」 このままずっと、一生一緒ですよ。 1スレ目 688 ─────────────────────────────────────────────────────────── 上を見ればどこまでも青い雲一つ無い空が見える… 横を見ればたくさんの向日葵が咲いている… そう、僕は今向日葵畑で寝転んでいる。 否…倒れていると言った方が正しいか… 何故かと言うと僕は先ほどある妖怪と弾幕勝負をして物の見事に撃墜されたのである。 その妖怪の名は…風見幽香。 「まだ、生きていたのね…人間の癖にタフなのね…」 「ふん、伊達に弾幕が張れたりスペルカードが使えるわけじゃないんだよ…」 「でも…このままだと貴方は死ぬわね。結構出血もあるし…」 そう、僕は先ほどの弾幕勝負のときに相手の弾をモロに額に受けてしまい、そこがぱっくり割れてしまっているのである。 あまり痛みは感じないが…寝転んでいたし、意識も朦朧としているので血が流れていることも最初はわからなかった。 しかしなるほど、触ってみればドクドクと血が噴出している状態である。このままの勢いならば…確実に出血多量で逝くだろう… 「貴方…スペルカードが使えるぐらいなら回復ぐらいは出来るんでしょ?」 「いや、僕の魔力はさっき使ったスペルカードで品切れだよ…これで決めるつもりだったんだ…まさか全てかわされるとは思わなかったがね…」 焔符"クリムゾン スターロード"、僕が誇る最大級のスペルカードだったが…この妖怪の前では風の前の塵に同じ。いとも簡単にかわされてしまった。 「おかげでこっちは驚いてすぐ目の前に飛んできたアンタの弾に気付かずにコレだからな…今の僕には"自業自得"と"自意識過剰"の二つの言葉が同時に当てはまるね…」 「フフフ…あまり妖怪をナメない方が良かったわね。」 「ふん…どっちにしたって僕の命運はここで尽きたよ…さあ、殺すなら一思いに殺してくれないか?その方が僕も楽だし、それにアンタ自身も…これ以上この綺麗な向日葵畑が血に穢れるのは思わしくないだろう。」 もう、生きる気力なんて無くなった。毎日を生きる為に日々スペルカードの強化をしていたころが馬鹿みたいだ… 今まで鍛えてきた最大スペルカードだって、いとも簡単に破られたんだ。もうこれ以上努力をしたって無駄さ… 僕は来るべく攻撃に備え、目をつぶった。 … …… ……… だが、来るはずだったその攻撃は何故か来なかった。 それだけじゃない、額に違和感を感じる。 しかもその違和感はむしろ心地よく癒されるような… ………… 目を開けると彼女の顔が目の前にあり、彼女の手が額に触れていてそこから青白い光を放っていた。 これは…回復してる……何故? 「……何のつもりだ?」 「確かに貴方を殺すのは一番手っ取り早い。けど、私自身の納得がいかない。だったらもう一つの方法『貴方を回復させる』をすれば貴方は生きられるしこの向日葵達もこれ以上血に穢れる心配は無い。それに…私自身もこれで納得がいく」 「…何故アンタは僕が死ぬことに対して納得がいかないんだ?別段、僕みたいな人間アンタにとってはどうでm」 …とまで言ったところでいきなり唇を塞がれた。 彼女にキスをされていると気付くまでに多分10秒ほどかかった。 「ん……これがその質問の答えよ…」 治療が終わった額を彼女が撫でる。 そして背中に手を回され抱きつかれた。 「……つまり…どういうことなんだ?」 脳内でチルノとリグルがラッパを吹きながら回ってる 何なんだ…彼女は何が言いたいんだ? 「鈍感な人ね…つまり私は貴方が好きってことよ」 今度は脳内で慧音と妹紅が抱き合って「好き!」って叫びながら回っている。 そんなバカな…今日初めて会って、弾幕勝負をやっただけなのに… 「…初対面の相手に…そんなことを…ふざけているのか?」 「あら、私は至って真面目よ。貴方が好きです、これから一生付き合っていただけませんか?」 「…もしここで僕が断ったら?」 「貴方は敗者。断ることが許されると思ってるの?」 「ふん、だったら僕は"人生の敗北者"ってことになるのかな…」 「フフフ…じゃあ私は"勝ち犬"ってところかしら」 「フッ…答えはOKだよ。これから一生、スペルカードの強化に付き合ってもらおうかな…」 「じゃあ私も一生弾幕勝負に付き合ってもらうわね。」 なんつうかその…微妙な作品に… 前回の鈴仙が少しやっちまった感があったから基本に戻ってみたのですが…いかんせん文章が稚拙すぎるな… 1スレ目 957 ─────────────────────────────────────────────────────────── クリスマスは今年もやってくる―― 白銀は、幻想の世界すらも包み込む。 冬の妖精や妖怪は歓喜に踊り、秋の涼しさは冬の寒さに変わり 日々刻々と、その時は近づいていた。 「…寒ぃ」 ボロ小屋で毛布に包まりながら、彼は呟く。 ○○という名の彼はちょうど一年ほど前に幻想郷に来てしまった 『外界の人間』である。 施しなくここに辿り着いた彼は、巫女や香霖堂の助力を受けて 今に至る。 その助力というと、今彼が包まっている毛布とストーブである。 石油ストーブであるのだが、半端に壊れているのか暖を取るには、 いささか温かった。 言うなれば、『ペンションで起こる殺人事件』のような状況に似ているのである。 外に出る事は叶わない。何故ならば、戸が凍りついているから。 助けを呼ぶ事も叶わない。何故ならば、通信手段がないから。 「…たすけて、えーりん」 永遠亭の竹取娘の言葉を思い出して呟く。 身体を暖める呪文ですらなかったが、気休め程度にはなった。 日本で自分のように凍死する人間の数を想像して、彼は眠りに落ちた。 1 花の妖怪と楽園の巫女 冬に咲く花はあまり多くはない。 それは生命が活動するにしても、冬の気候は厳しいから。 向日葵はもう咲いていないし、秋にある花も既に散ってしまった。 「寒いわよねぇ」 「本当ね」 現在、私は神社で巫女と熱いお茶を啜っていた。 「で、何でここにいるのよ?」 「まぁまぁ、気にしないほうがいいわよ」 冬に咲く花が、ここに多い事は言うまでもない。 神社には霊的なものが色々流れてくる。花に取り付く霊も多いのだ。 あの花の異変ほどではないが。 「それよりも幽香。あんたあの向日葵畑はどうしたのよ?」 「普通に考えてみなさい。今の時期に向日葵がどうなってるのか」 言うまでもない気がするけど。 私の言葉に霊夢は頷いて 「ご愁傷様」 なんて不吉な事を言った。 「死んだ訳じゃないんだから、そういう事は言わないで頂戴」 空の雪が、酷く積もっている。 向日葵が凍死したと言えば、間違っていないのかもしれないけど、 死ぬと言う表現は、あまりにも例え易く同時に使ってはいけない禁忌の言葉だ。 「はいはい、それはともかく…あんた帰らないの?」 「帰る?」 帰る場所は確かにあるけど、今は帰る時ではない。 彼女が邪魔と言うなら話は別だけど。 「年末が近いわよ。準備しないの?」 「まだ準備まで二週間あるわよ?」 日にちと言う概念はあまり妖怪に関係ないけど、祝う日は祝ったりしないと 騒いだりも出来ない。 「…いや、そっちもあるんだけどね」 はぁ、とため息を吐く霊夢。 「今年ってクリスマスもやるのよねぇ、まったく…」 「巫女がクリスマスなんて世も末ね」 「…そもそも管轄が違うわよ」 神社の神主がサンタの服を着ている図を想像してみる。 ここの神社の神主なんて見た事がないけど、それも面白いかもしれないわね。 そう、それよりも… 「クリスマスにも大晦日にも、彼は来るんでしょ?」 「あー、○○さんの事? 来るわよ、凍死してなければ」 「そう」 ○○という変な人間の男が居る。 あの人間、奇妙な事に私を恐れないのだ。 風見幽香という妖怪の名を聞けば、普通は恐れ戦くものだけど…。 それもそのはず、あの人間は私のことを知らない外の人間だったから。 …軽く虐めたら、一週間くらい寝込んだけど。 「なに、まだ虐めるの?」 「妖怪が人間を虐めるのは日課でしょう? 一部の強いものを除いて、だけど…」 そう言って目の前の紅白を見る。 彼女は色んな意味で規格外。 「さ、彼の様子を見に行くわ。ついでに花の贈り物をしにね」 「お歳暮ね」 「私、彼に感謝はしてないけど?」 「私は感謝してるわよ? あんたがただの人間に恋する姿なんて見れるもんじゃないし」 誰が恋をしているのと言うのかしら?この能天気紅白。 「まぁ、いいわ。それじゃ、ね」 言いながら私は空に飛び立つ。 「好きな子ほど虐めたくなるって言葉…知らないの?」 2 花の妖怪と木造プレハブボロ小屋 目の前は凍りついている。 戸にはまるで、造られたような不細工なオブジェの様な氷がびっしりと 所狭しと張り付いていた。 こんな優雅さも欠片もないものは吹き飛ばしましょう―― 氷を砕いて、戸を開ける。 冷気が中から吹き出てきた。 もしかしたら、外よりも中の方が寒いんじゃないのかしら? とにかく、中に入ると冷え切った空気が私を撫でる。 「…ほぅ」 白い息が出る。 やはり絶対に小屋の中の方が寒い。 そんな冷たい空間の中には、壊れかけたストーブと毛布に包まっている物体があった。 間違いなく、この中に居るわね。 生死はともかくとして、彼は眠っていた。もちろん生きている意味で。 「…よく死ななかったわね」 そこは素直に感心しておけるわね。普通なら死んでもおかしくないのに。 でも、その無垢な寝顔を見ると悪戯をしたくなる。 「…さぁ、どんな悪戯をしようかしら?」 花の弾幕を張るのも、眠っていると反応は薄そうだし、ここまで鈍いと逆に 死んだ事にも気付かないかもしれない。 傘で突いてみる。 …こんな気候で眠れる人間がその程度で起きる筈がない。 それよりも、起きた時に驚かす方が―― …私にちょっとした悪戯心が芽生えた。 3 花の妖怪の奇妙な悪戯 時刻的に昼頃、俺は起きた。 最近の気候のせいか、ボロ小屋の俺の家は寒かった。 再び寝ようとした俺の頭は、ハンマーに殴られた時のような衝撃の襲われた。 「すぅ…すぅ」 目の前に、会うたびに虐めてくる妖怪が寝入っていた。 落ち着け、俺。素数を数えて落ち着くんだ…。 素数は自分の数字と一以外で割れない数字…俺に勇気を与えてくれる。 「…位置に産後七十一」 どこの呪文だ俺。 そんな呪文は神父も聞いた事ないぞ…? まぁ、馬鹿な事を考えていたら、頭も冷えた。元々外気が冷やしてくれたのは 内緒だが。 とにかく状況確認だ…。 俺がいた。幽香がいた。そして何故か隣で幽香が眠っていた。 「…あ、頭悪いなぁ」 自分の思考がループしかけるのを止める。 とにかく、状況把握は後だ。 きっと、あと数分もすれば幽香は目を覚ますだろう! さぁそこで問題だ。この状況をどうやって脱出する? 三択、ひとつだけ選びなさい。 答え①(自称)ハンサムな○○は突如脱出のアイディアが閃く 答え④他の人が来て助けてくれる 答え⑨脱出できない。現実は非情である。 おれが選びたいのは④…じゃねー。④て言う数字は縁ギが悪いんだ! しかも、この状況…勘違いする奴が出る可能性がある! やはり…①しかねーようだな! 「…んー」 身悶えを始める幽香。 選択の予知なし。 あばよ皆…! 答え⑨―― 答え⑨―― 答え⑨―― 「おはよう」 「…はい?」 至って普通の反応だった。 …いや、普通ならここでおはようなんて言葉は出ないんじゃないのか? 「もしかして幽香…」 「貴方の慌てる顔…虐め甲斐があるわね」 悪戯っ子のような笑みを浮かべて彼女は言った。 やっぱり…どうやら初めから俺は彼女の手の上に踊らされていたようだ。 「…幽香」 「さて、無事も確認したし。貴方にはもう一働きしてもらおうかしら」 …嫌な予感が走った。 いや、それは予感じゃなくて――確信。 「花符――」 予感的中。 彼女の周囲には花びらが舞い上がっている。 その花びらをどうするかは…予想がつく。 「『幻想郷の開花』」 ボロ小屋に穴が開くも構わず、俺は逃げる。 弾幕ごっこなら外でやってくれ! と心の中で叫ぶが、きっと無駄なのだろう。 「ほらほら、避けてみなさい」 その舞う花びらの中心で、彼女は女王様のような高らかな笑みを浮かべていた。 ちくしょう…そんな笑顔が大好きだぜ! 花びら弾を身体中に打ち込まれながら、俺はそんな事を思っていた。 4 造花の贈り物 時が過ぎるのは、まったく持って光陰矢のごとしだった。 冗談じゃない。 楽しい時は過ぎる。 「さーて、と…」 向こうの世界から流れてきたらしい、香霖の本を読みながら 俺は手元を動かす。 クリスマスが近い。 友達とつるんで遊んでいた時にはなかった奇妙な感覚が 今、心の中にある。 元の日常に戻る気はさらさらない。 …ここにはここで十分面白いものがあるからだ。 幽香に虐められたり、幽香に虐められたり…幽香に虐められたり……? …あれ俺、Mじゃないよな…? 「あ、やべぇ…ミスした」 回想している間、手元の作業が間違っていたらしい。 幽香に出会ったときはおかしかった。 初めて会ったのは、博麗神社。 その時、友好の証かどうか分からないけど、貰ったものがある。 向日葵の造花(レプリカ)。 そうして言い放った台詞も印象に深い。 『貴方には向日葵が足りないわ。でも本物は勿体無い。 だから偽者をあげるわ』 結局何が言いたかったのかはよく分からなかった。 それが今はこうしてちょっとだけ、あることに役に立っているのはマシなのか? それにしても難しい。 女はよくこんな事が出来る…。 四苦八苦しながら進める。始めたのが恐らく前の月だったから… 一月くらいだろうか? 一日中これに費やしていた時もあるが、本当に難しい。 目標の半分よりちょっと上に到達していない。 こんな状態で、本当に出来るのだろうか? 「…徹夜には慣れてるし、きっと何とかなるだろ」 今の俺に出来る事は信じる事だけだった。 5 メリークリスマス クリスマスパーティー。 そんなのは仮の姿。中身はドンチャン騒ぎの宴会に近かった。 「それじゃ、メリークリスマスだぜ!」 『メリークリスマスー!』 女が三人寄れば姦しいと言うが…一体十人以上の女が集まった時には 何と言えばいいのだろうか? 答えは簡単だった。 一時間後、姦しい 二時間後、おぞましい。 三時間後、盛者必衰。 四時間後、栄枯盛衰 五時間後、(一部を除いて)死屍累々 「…これ以上付き合ってたら、冗談じゃない」 明らかに酒の量が、俺の許容量を超えている。 だから、逃げた。 どうしようもなくて、逃げた。 だけど後悔はしていない。 …香霖が褌をしている姿なんて、おぞましいものは二度と見たくない。 単に酔っ払っているということを信じたい。 もし、あれが本性だったら、俺は二度と関わらないぞ…。 6 花の妖怪の奇妙な贈られ物 会場である紅魔館の外に出て、俺はボーっと湖を見る。 呑気な妖精たちが飛んでいる。 冬だからこそ、活性化しているのかもしれない。 「ここにいたの?」 「あぁ、逃げてきた」 絶対に戻りたくない。 あの中は…地獄だ。 「お前は居ても変わらないだろ、妖怪さん?」 「そうね」 夜中でも傘を差すのは止めないのか。 そのまま、俺の隣に腰を降ろした。 「ほら、これ」 渡すべきだったものを彼女に渡す。 紙袋で渡したから、何が入っているか分からないはずだが。 「何を作ったのか知らないけど、何で作ったの?」 作ったものという事はバレていた。 「『作る』って心の中で思ったときに、既にその行動が終わってたんだ」 深い意味はない。 ただ送り付けたかっただけだ。俺の一方的な想いを。 「まさか、マフラーに向日葵柄とはね」 中身を開けた彼女が呟く。 そう、俺はあの造花と本を参考に、必死こいて編み上げたのだ。 無論、慣れない事はするもんじゃない、と深く心に刻みこんだ。 「ありがたく、受け取っておくわ」 「モノのついでだ言っておく…俺は…お前が好きだ」 「あぁ、そう」 えらく淡白な反応で、俺は嬉しい。 希望とか理想とか憧れとか、そう言うの全部勘定して 俺はこいつが好きになったんだ。 「ありがとう、これからよろしく」 抱きついてきた彼女からは、季節外れの向日葵の匂いがした。 「メリークリスマス」 「メリークリスマス」 後書き ===館の裏=== 幽香のクリスマス物を書きたいんですが構いませんね! ===館の裏ここまで=== クリスマスが今年もやってくるので書きました。 クリスマスを祝うには早すぎるが…フライングだ! 花やっていると、やっぱりどうも幽香が一番好きなキャラかもしれません。 ほら、目茶苦茶に余裕のある態度とか…茶目っ気とか… ああもうなんで伝わらないかなぁ …この、ド低脳がァーッ! …ゴメンなさい orz 257 ─────────────────────────────────────────────────────────── 諸君、私は花が好きだ―― 諸君、私は花が大好きだ。 諸君、私は花の妖怪が好きだ。 一月一日、元日。 俺と花の妖怪の風見幽香は、寝床に近い博麗神社を訪れていた。 無論、初詣なんていう殊勝な事をする気はない。 「ちなみに冷やかしは、お断りなんだけど」 後ろで紅白の巫女が何かを言っているが無視だ。 「減るもんじゃないでしょう?」 「そうそう、けちけちするな紅白さん」 「博麗霊夢!…まったく、それじゃどこかの歌合戦じゃない…」 「黒白歌合戦よりはマシよね?」 「白黒歌合戦だと、決着がつきそうだがな」 まぁ、ここに来た理由なんて、ただ単に遊びに来るのと同時に 暇つぶしの為でもある。 …どちらにしろ似た理由には違いないが。 「で、あんた達、出てってくれない?」 「俺、無理、コタツ、暖かい」 「私もね。彼が出て行く気がないなら。私もこのままよ」 妖怪はこの程度の寒さは何ともないはずだが、俺を理由に するのもどうかと思う。 いや、嬉しい事は嬉しいんだが。 「…はぁ、このバカップル達は」 「失礼ね。誰がバカップルなのかしら?」 「あんたらだ、あんたら!」 幽香のマジで言っているのか分からない言葉に、霊夢がツッこむ。 「それにしても、こう寒いとやってられないわね…」 いつもやる気がないくせに、と言葉に出かかったが、何とか押し留める。 そんなことを言えば、夢想封印じゃすまない。 「いつもやる気がないくせに」 さすが幽香!俺に出来ない事をやってのけるッ! そこにシビれる!あこがれるゥ! 「へぇ、あんたも言うわね」 ピクピクと眉が動いている。 それに対して幽香は余裕の態度を崩さない。 「当たり前よ。私に怖いものなんてないんだから」 おー、すごい発言だ。 などと、感心して見ていると 「へぇ…」 不意に霊夢が不敵な笑みを浮かべた。 何か企んでいるのか、口元が緩んでいる。 「それじゃ、○○さんがあんたを残して遠くに行っても?」 「――」 その言葉を聞いて、彼女は俺の方を向いた。 目が合って、俺は逸らそうとしたが、その視線が離れる事はない。 彼女から読み取れる表情はない。 無感情。 その図を想像しているのか、それとも。 「○○」 「ひゃ、ひゃい!?」 唐突にその無感情が笑顔に崩れて、ドスの利いた声で名を呼ばれる。 あんまり慌ててたから、変な声になっちまったぜ。 「私を置いていったら――どうなるかしら?」 殺されますか? 人間辞めさせられますか? オラオラですか? 「アレだけ、好き勝手に弄んでおいて…」 「待て、どちらかと言うと、お前の方が弄んでるだろう」 「…どっちでもいいから、そういう発言は止めなさい。バカップル」 またバカップルって言われた。 まぁ確かに(ピー!)や(ズキュゥゥゥウン!)とか (ゴゴゴゴゴ…)なんて事も…。 むぅ、ここまでやればバカップル認定されてもおかしくないか… 「幽香攻めの○○さん受けね」 新手のカップリング使いか!? 「まぁ、霊夢に一言だけ言っておくわ」 「ん、何?」 「もしも彼に手を出すようなら、手加減はしない。頭が春だらけの貴女に 本当の開花を促させてあげる。それこそ生きるのが苦痛と思えるような 生き地獄というものを体験させて、ね」 「出さないって」 「いや、そんなこと言わなくても、俺は幽香一筋だぞ?」 ズキュゥゥゥウン! ありえない音が聞こえました。 まるで、どこかの漫画のキスの音のように。 「え、っと…まぁ、せいぜい私の機嫌を損ねないようにね」 音のした方向を見ると、幽香がちょっとだけ赤くなっていた。 うん、滅多にこういう表情を見せないから、結構レアだ。 「んじゃ、初詣といきますか」 「えぇ、それじゃ霊夢、春までに春が来るといいわね」 「余計なお世話よ」 苦笑しながら、霊夢は呟いた。 賽銭箱に五円を入れる。 昔の人は良いことを言ったものだ。 縁は異なもの味なもの、ってね。 その縁はどう結びつくか分からないけど 一度、縁が結ばれれば、それは絆となりえる。 妖怪の彼女と、縁が繋がった俺の絆は… 切れる事はないと信じよう―― 後書き ===五円玉の裏=== イチャつくスレに必要なものは、何よりも 生まれついた愛だ。これについては 訓練ではどうにもならない。 愛の無い者はいつまで経っても想いを綴れない MGSマスターより ===五円玉の裏ここまで=== あ、ありのままに起こった事を話すぜ。 『おれは夢で幽香の夢を見たと思ったら、いつの間にか その夢が終わっていた』 な…何を言っているのか分からねーと思うが、 おれも何が起きたのか分からなかった… 頭がどうにかなりそうだった… 幻想郷の開花だとか、フラワーマスターの脅威だとか、 そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。 もっと恐ろしい幽香萌えの片鱗を味わったぜ… つまり、何が言いたいかって言うと 幽香萌えな訳です 381 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――初めまして。ちょっといいかしら? ――新聞なら間に合ってます。 ――私は天狗じゃないわ。ていうか人間の癖に私を知らないの? ――じゃあ宗教ですか? すいませんが俺、無神論者なんで。あ、押し売りも結構です。金無いんで。 ――はぁっ。……もういい。私が何者なのか、その身体に教えてあげる! ――ま、まさか押し入り痴女!? 確かに可愛いし胸も大きいが人としてそれはどうかt ……あべしっ! 「……10、9、8、7」 腕に付けた時計を見やりながら呟く。 時刻は午前6時59分。 幻想郷の一般ピーポーの皆さんが起きる時間にはまだ少しだけ早い、そんな時間帯。 本日の天気は雲ひとつない快晴。はるか頭上には天狗かと思われるシルエット。新聞配達ご苦労さま。 「6、5、4、3」 それにしても、こんな朝っぱらから一人空を見上げ突如カウントに入る俺。自分でやってて正直どうかと思う。でもやめない。 しかしやはり他人にも奇怪に写るのか、以前も常闇の妖怪から「あなたってへんー」と言われた。切なさ炸裂である。 どうでもいい話だが、「せつなさ炸裂」という名(迷?)言を生み出した例のブツは、悪名高き暗黒舞踏を始めとする肝心の出来にユーザーのせつなさが炸裂だろう。 「2、1」 しかしながらこのカウント、今では一日一回やらないと調子が出ないまでになってしまった。我ながらどうかと思う。 そんな事を巫女に言ったら「重症ね」と溜息混じりに言われた。否定できない。 「――0」 「おはよう。今日もいい天気ね。元気してた?」 そうして思考の海に埋没しながら時を刻み終えたのと、俺の背後から声が聞こえてきたのはほぼ同時だった。 何処からとも無く現れたのはチェック柄の服を身に纏い、愛用の傘を持った緑の髪の少女。 名を風見幽香。 人間は言うまでも無く、そんじょそこいらの妖怪では束になっても勝負にならないレベルの力を持った妖怪らしい。 そんな彼女がなんで俺なんかに興味を持ったのやら。一度聞いたら「私に勝ったら教えてあげる」と言われた。つまり教える気はさらさら無いという事だろう。 「まあまあかな。ってか先週も会っただろ」 「私と会った後、急に不治の病になったりするかもしれないじゃない?」 「お前は病原菌を撒き散らしたりするのか?」 「失礼ね。私の花が撒き散らすのは花粉だけよ」 「俺が花粉症じゃなくて本当によかったよ」 彼女は丁度7時きっかりにやってくる。7時ちょうどにいない日は来ない日。 以前、数日間来ない日が続き、今日も来ないだろうと高をくくって一度家から出なかったら、文字通り挨拶代わりに玄関を吹っ飛ばされた。なんて奴だ。 来るな、とは言わないがせめて来る日くらい指定して欲しい。お陰様で俺は規則正しい健康的な生活を送る毎日だ。 「さて、いきなりだけど覚悟はいい?」 「言わなくても解ってるだろ? “よくない”」 「言わなくても解ってるでしょ? “貴方に拒否権はないわ”」 不適な笑みを浮かべ、傘を構えながら真っ直ぐに視線を飛ばしてくる幽香。 傘の切っ先には、俺。 そこから導き出される答えは一つ。言葉無く身構える。 「じゃ、早速いつもの、始めましょうか――!」 そう宣言すると共に、ひゅん。と風切音が聞こえた。 迷う事無く地面に転がり込む。半ば反射のそれは、すっかり俺の身体に染み付いた動き。 瞬間、頭上を花の弾幕が結構なスピードで通過。髪がはらり、と空に舞った。 傘から放たれるそれはその見た目に反し、直撃すれば意識を持っていかれかねない程の威力を持っている。 そんなのブツが絶え間無く俺に降り注いでくるが、俺もマゾじゃないのでそれを避ける。避ける。ひたすら避け続ける。 必死に回避する俺だが、当の幽香はそんな俺にいい笑顔で容赦なく弾幕を放ってくる。 その笑顔は確かに文句無く可愛い。しかしこれはどうみてもいじめだと思うのだが、どうだろうか? いや、そのサドっ気溢れる表情を見るに実際いじめなのだろう。 避けるだけ、という弾幕ごっことすら言えないこれ、今に始まった事じゃない。会う度に俺はこうやって俺はいじめられている。 ……だがしかし! 今日の俺にはとっておきの秘密兵器がある! それさえ使えれば勝てなくても、幽香に一泡吹かすことも出来る筈! でもそれも俺から手を出して初めて成立するわけで……。 「ほらほら、逃げ回るばっかりじゃいつもと同じよ! 偶には反撃してみたら!? 私は此処から一歩も動いてないわよ?」 「じゃあ! ちょっとは! 手加減しろよ! こちとら! 避けるので! 精一杯だっつーの!」 悪態をつきながら、飛来する弾幕を回避し続ける。 「ごあいさつね。十分手加減してるじゃない。どんなに当たり所が悪くても死なないように」 「そりゃそうだけどさ!」 どうにも俺と幽香の手加減の捉え方には大きな差がある。 確かに俺も軽口を叩く位の余裕はあるし、彼女に本気を出されたら俺なんか一秒持たないだろうけど。せめてEazyレベルで! だが、そんな意見が通る相手ではない事は重々承知している。 そして相手に近づく事すら儘ならないこの状況では、いつもと同じくジリ貧に追い込まれる、という事も。 (つまりは俺が気張らないといけない、と。嗚呼……痛いんだろうなぁ。でも……) 「ナイフとかよりはマシ、か」 そう小さく呟き、 ――だっ! 幽香目掛けて突進する。 弾幕が眼前に展開され、俺の意識を奪おうと襲い掛かってくる。 当然全身に無視できない痛みが走るものの、それでも足を止める事は無い。 「ぐっ――!」 「うわ。無茶するわね」 呆れるような幽香の声。だがそんな事は言われるまでも無く解ってる。 スキマ妖怪みたくテレポートでも出来ればいいが、いかんせん非力な俺にはこれくらいしか幽香に接近する手段が無いのだ。 少しでも受けるダメージを減らそうと、利き腕でない左手を振り、出来る限りの弾幕を吹き飛ばす。 彼女の弾幕が花だから出来る芸当だ。だが仮に幽香がそれ以外、例えば針とかクナイとかの弾幕を撃って来た場合は……考えたくも無い。 頭に浮かんだ嫌な想像を振り切るように、俺は最短距離を走りぬける。 あと、十歩。 「――っ」 そして、左腕以外に幽香の攻撃が命中しなくなった。正確には直撃しなくなった、だが。 殆ど無意識の内に、どの弾幕が直撃するのか判断出来るようになったらしい。これまでの努力(という名の敗北)があるとはいえ、我ながらびっくりだ。 そしてついに俺の射程範囲内に辿り着く。 弾幕に晒し続けた俺の左腕は、見るのも嫌になるくらい痣だらけになっている事だろうが、折れてはいないだろう。多分。 (……なんで俺はこんなに痛い思いしてまで一生懸命やってるんだろうな) そう苦笑ながら、俺は右腕で懐から虎の子のスペカを取り出し、即座に発動させる! ――即興「名無しにも五分の魂」。 「行くぞっ!」 「っ!?」 他でもない彼女によって鍛えられた気合避けはともかく、スペカに関しては殆ど素人の俺がスペカを使用する事に対してだろうか。幽香の表情が驚きに染まる。驚くのが妙に遅い気もするが。 そして、俺の発動させたスペカは眩い光を放ち――! ……ぷすん。 そんな間抜けな音を立てて消滅した。誰がどう見ても不発だった。 だがある意味予想の範囲内とも言える。 そもそも素人の俺なんかが、ぶっつけ本番で幽香程の妖怪に一泡吹かせようという考え自体が間違っているのだ。 無茶して突っ込んだからって、一歩も動いていない、と言っても動かない、と言ってはいない幽香が距離を取らない保障なんかどこにも無いわけだし。 (でも、それでも。今回は幽香を驚かせる事が出来たから俺の勝ちだ!) 全身に弾幕を浴び、意識を遠のかせながらながら、そんなちっぽけな優越感に浸る俺の目に映るのは、眉間にしわを寄せた幽香。 一目でわかる不機嫌オーラをその身に纏っているし、弾幕も心なしか厚くなっている気がする。 そして 俺の意識は 闇に 落ちて…… ――数時間後。 「……痛い」 「おはよう。よく寝たわね。もうお昼よ?」 意識を取り戻したのと同時に全身が痛みを訴え、思わず声を漏らした俺の耳に入ってきたのは、俺の意識を持っていった幽香の声だった。 後頭部に感じるのはなにやら柔らかい感触。倒れるまで俺がいた草の上ではないだろう。絶対に。 鼻腔をくすぐるのは少女特有のいい香り。視線の先には青い空と幽香の顔。 これらの情報から導き出される答。つまり俺の頭がある場所は……幽香の膝の上? 膝枕!? 衝撃の事実に俺は当然驚き、即座に彼女から離れようとするが、 「っていででで!」 「暫くは動けないわよ。貴方が気を失った後も少し打ち込んだから」 全身に走る激痛に思わずみっともなく叫ぶ俺に、幽香は平然と言い放った。 鬼だ。此処に鬼がいる。 「……さて。どうしてあんな無茶をしたのかしら? 制御も出来ないスペカの使用。不発ですんだからいいものの、下手したら死んでたわよ」 「それがお前がへそを曲げて俺をここまでぼこにした理由か?」 「他にないでしょ。で、答えは?」 「……一度でいいからお前に一泡吹かせたかったんだよ。いっつも苛められるだけ、ていうのもアレだし」 まさか失敗したからといって、命に関わるレベルだとは思いもしなかったわけだが。 「馬鹿ね。本当に馬鹿。付け焼刃のスペルで私をどうこう出来ると本気で思ったの?」 「まさか。それでも男には引けない時があるんだよ。相手もお前だしな」 「そっか。……ねえ。貴方は私が嫌い?」 「いや、嫌いじゃない」 どことなく寂しそうに聞いてくる幽香に思わず即答する。 俺は嫌いな相手を待ったり出来る博愛精神の持ち主ではないのだ。 というか、どっちかというとむしろ好きなのだが、それを本人の前で言うのは流石に気恥ずかしいものがある。 「そう。私は貴方が好きよ。愛してるわ」 「はい!?!?」 「だから貴方は私だけのモノ。私の断り無く勝手に死ぬなんて絶対に許さない」 好き? 誰が? 誰を? 好きな相手ほど苛めたくなる理論? あまりの突然の告白に戸惑い、パニックに陥る俺。 そうして、一分ほど経過し、少しだけ落ち着いて、やっと口から出てきた言葉は、 「……もし俺が他の誰かを好きだった場合は?」 そんな気の利かない言葉だった。て、そうじゃないだろ俺! 「略奪愛って素敵だと思わない?」 「あー、そのn」 「でも変な薬や魔法なんか使わないわ。貴方自信が私を好きになってくれないと意味が無いもの」 俺の訂正を遮ったそれは、自他共に認める嘘つきの彼女が俺に初めて見せた嘘偽りの無い、本気の目。俺にはそう見えた。 「…………」 「どうしたの? 照れたとか?」 「…………」 沈黙を肯定と受け取ったのか、彼女はあはは、と無邪気に微笑む。 まあ実際そうなのだが。 「で、答えは?」 真顔に戻って聞いてきた。 なんかさっきも聞いた台詞だ。 「今すぐに?」 「当然」 「……好きだよ」 「そう。……良かった」 俺の答えにも彼女と同様に嘘偽り無い事が通じたのか、花が咲いたような笑顔を浮かべる。 それもまた、決して短い付き合いではない俺が初めて見る表情だった。こころなしか顔も赤い気がする。 これから先、彼女のこんな表情を見る事が増えるのだろうか。 「……それじゃあ、まあ」 「今後ともよろしく。お互いにね」 ――影が、一つに、なった。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 以下、おまけ (あれが××ね! 知ってるわ! 流石あたい! 蝶天才! IQもとっくに一万は超えてるわね!) (チルノちゃん! あんな破廉恥なもの、良い妖精は見ちゃいけません!) (そ~なのか~) (特ダネですよ~!) 「……なあ」 「何?」 「なんか見られてるんだが」 「見せてんのよ」 3スレ目 687(うpろだ0006) ─────────────────────────────────────────────────────────── いつもと同じように弁当をこしらえ いつもと同じように向日葵畑に向かい いつもと同じように花の妖怪に虐められ いつもと同じように一緒に弁当を食べる そして いつもと同じように気が済むまで適当にダベって いつもと同じように夕日を眺め いつもと同じように氷精をからかって いつもと同じように笑い合って別れる ……筈だった 俺を貫くのは力持つものの重圧 されどその目に浮かぶ感情は疑問と不安 「私は虐め、それ故に嫌われるモノ。妖怪、人間、妖精分け隔てなくね」 「……」 「それを判っていながら、虐められながら、どうして貴方はここに来るの?」 「なんでって、そりゃあ……」 ――好きだからに、決まってるだろ。 「Mなんだろ。俺が」 「……嘘つき」 背を向けながら答える俺を、嬉しそうにからかってくる幽香。 彼女が軽い読心術を持っている事を俺が知るのは、まだ先の話。 3スレ目 812 ─────────────────────────────────────────────────────────── 462 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 13 22 17 [ c2uKdXUg ] 俺の母親の下の名前が優香なんだが旧姓が風見らしいんだ。どうしよう。 463 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 13 24 31 [ vsS2By92 ] おーい、ここにゆうかりんの子供がいるぞ。 464 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 15 42 20 [ 4Z9OWYA6 ] 相手が誰か、それが問題だ 465 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 17 08 50 [ Qc5aonDc ] 462 お、お母さんを僕にください! 466 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 20 04 01 [ gT.5Q4PI ] 465早まるな。 やあ、 462、私が新しいパパだよ! 467 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 20 06 10 [ FVu7Fdmc ] 462の父でございます。 このたびは、息子がこのようなレスをしてしまい、 皆様には大変ご迷惑をおかけしております。 深くお詫び申し上げます。 中略 どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。 本当は良い子なんです。 よろしくお願い申し上げます。 462の父より 468 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 20 26 35 [ H2k27uIc ] 人妻の方が燃えるってものよ 4スレ目 462-468 ─────────────────────────────────────────────────────────── 474 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 22 15 10 [ 4Z9OWYA6 ] なあみんな聞いてくれよ。 さっきゆうかりんにあったんだ! 心なしか太ったような気がしたね。 つきのものがこなくなったわって言ってたんだけど、 ゆうかりんに召し使いなんていたっけ? 475 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/10(月) 22 32 32 [ Clb6Kv/I ] ( あらあら、しょうがないわねぇ?? ハイッ!!( はぁと☆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄ o ___ 。 ___ o x ((_ノ´⌒⌒ヽ) o. x ((_ノ´⌒⌒ヽ) (( ((((ノ`)ノ)) +. (( ((((ノ`)ノ)) *. ゚ ((_。(i|^.ヮ^ノl)⊃ . ((_。(i|^.ヮ^ノl)⊃ ((,,( ,)ノネl」´ 。 ((,,( ,)ノネl」´ 。 ,,∪#i,#゙i . ,,∪#i,#゙i + ||.ハラ´ x ゚ ||.ハラ´ * ( ミ,) o. ( ミ,) x ドバァァァァ-- - 、ミ/ + 彡彡彡 * 、ミ/ +彡彡彡 . Y o Y o * ゚/ \ x ゚ . / \ x . x / o \ . + / o \ // 。 \\ * // 。 \\ x i ゚ i i ゚ i ∥ i ガッ i ∥ ∥ i ガッ . i ∥ .∥ ! 474 のわwww∥ ! 475 ちょ、ちが…俺まきぞe(ry ∥| .o|∥ ∥| o|∥ ∥| o. |∥ ∥| o |∥ 4スレ目 474-475
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幽香8 新ろだ2-165 私の家には奴隷がいる 名前は〇〇 一年前、私のひまわり畑に行き倒れになっていたところを 気まぐれにつれて帰り、使っている 私のことを見て人間だと思っていた事から外の世界の人間だと分かったけれど 帰す気はないのだからどうでもいいことね 要領のいい男ではないけれど、私の言う事を真摯に出来る限り忠実に行おうとしてくれるところは 私ともあろうものがつい好感を持ってしまうほどで、いまではすっかり〇〇がいなくては夜も明けないといってもいいほど 重宝してしまっている 「〇〇、着替え」 「はい。本日は少々冷えますので、ストールも一緒にお持ちいたしました」 「〇〇、朝ごはん」 「はい。トーストに、本日は果樹園で取れた果物のマーマレードをお使い下さい お嬢様お好みのイタリアンコーヒーもご用意してあります」 「〇〇、水やり」 「はい。本日は自家製の肥料を混ぜた水もご用意いたしました。元気が無いところにはこちらをどうぞ」 「〇〇、散歩」 「はい。本日の日傘はこちらをお持ち下さい。お供はいたしますか?」 「当然でしょ、早くしなさい」 「かしこまりました」 一事が万事この調子 珍しく宴会に呼ばれた際、最近の私の隣に〇〇がいない事がないのではと紫に揶揄されてしまった 言われてみればしっかり的を得てしまっていたため、怒るに怒れなかった事が今思い出しても悔しい 私の横で、相変わらずの涼しい顔を作っていた〇〇の口角が僅かに上がっていたのがよけいしゃくに触った もっとも、〇〇だってはじめからこんなふうだったわけじゃない もともと外の世界の「ほてる」というところで働いていたらしいから、使用人の真似事はできていた それも付け焼刃にすぎないから、昔は毎日毎日失敗して私を怒らせてた けれど〇〇は同じ失敗を決してしなかった しょせん人間はと思っていたけど、いくら私でも自分を喜ばせるために失敗から学ぶ人間を嫌うわけがない そして、私の好きな料理の味付け、私好みの花への水のやり方、お風呂の温度に至るまで〇〇は網羅してしまったのだ 今の〇〇は、私以上に私について詳しくなってしまっているような気さえする けれどこれではいけない また紫に宴会の時のようにからかわれては、幻想郷最強妖怪の名がすたるというものだ そう思い、〇〇に休暇を出す事にした 「〇〇、今日は休日にするわ。村にでも行って羽を伸ばしてきなさい」 「え、それでは、お嬢様のお世話はいったい……?」 「今日くらい自分でやるわ。あと、これは命令」 命令とつけると、渋々といった感じで〇〇は従った しかしわざわざ休暇を命令しなければならないなんて、聞いたことも無いわね 「お嬢様、コーヒーはキッチンにご用意してあります 先日収穫したイチゴはただ今井戸水で冷やしており、今が食べごろかと それと他には……」 「わかったわよ。だいたいあなた今日は休日なんだから、少しは仕事から離れたらどうなの? あと、いつものYシャツとタキシードは脱ぎなさい。村で恥かくわよ」 「これはお嬢様にお使えするときの服です これを脱いでは、気が引き締まらないというか何と言うか……」 「だから、その気を緩めるのが休暇でしょうが! ここに行き倒れてた時のシャツとジーパンがあるでしょ、それを着ていきなさい!」 そうして、村への手土産だという野菜を二箱を台車に乗せてやり、ようやく久しぶりに一人の時間が訪れた 「〇〇、畑に行くわよ」 「……」 「そうだったわね……」 「〇〇、お昼」 「……」 「またやっちゃった……」 「〇〇、食後のコーヒー」 「……」 「……習慣って怖いわね」 駄目だ、どうにも落ち着けない いつも〇〇がやっている事を自分でやる、それにひどく違和感を覚える 〇〇が来る前は当たり前だった事なのだけれど と同時に、あの仕事人間の〇〇がどう休暇を過ごしてるのか、無性に気になってきた 「そうだわ、やっぱり私の奴隷が休暇中に何をしてるのか知るのも主人のつとめよね」 「はっきり言ったらどう? 〇〇が何をしてるのか気になるって」 いつの間にか現れた紫が、コーヒーのポットを持っている 〇〇が今日入れてくれた分はそこにあるだけなので、あまり飲まないで欲しいんだが 「うわ ドロッドロで苦!」 「当たり前よ、イタリアンコーヒーは同じ量の砂糖を入れて飲むものなんだから で、何の用なのよ。ただの暇つぶしなら、今は機嫌が悪いからコーヒー飲んでさっさと帰って それと、誰が誰を気にしてるってのよ」 「さあ? 村に行く途中で山賊に襲われて瀕死の〇〇なんて、誰も気にしないわよね?」 その瞬間、スキマから上体だけを出していた紫の胸に、私の日傘が突きつけられた 「場所はどこ!?」 「聞いてどうするの?」 「決まってる。〇〇を永遠亭の医者に診せる 私の物に手を出した山賊は皆殺しにする 次に無駄口を叩けば、あんたにも零距離デュアルスパークを打ち込む」 さすがの紫の薄笑いも消える、かと思ったが、さらにその笑みは広がってきた 「う・そ・よ うそうそみーんな嘘 私はただ〇〇が村で面白そうな事をやってるって言いに来たんだけど 久しぶりに一人になった幽香が[何かを]気にして面白い一人芝居をしてたから ちょっとからかっただけよ」 「……」 キレそうになると、逆に声が出ないという事を紫に教えられた 講義料はデュアルスパークで十分だろう 「早く行かないと終わっちゃうかもしれないから急いだ方ががいいわよ じゃあね♪」 紫がスキマに逃げ込むほうが、私の渾身の一撃よりも一瞬早かった そのまま壁の一部と日傘が消滅する これは明日〇〇に直させよう 何をやってるのか知らないが、紫に興味を持たれるような事をしていた 叱り飛ばす理由としてはそれで十分だから そうして、思わず村まで来てしまったが、これは決して心配とかそう言うのではない 奴隷の不始末は主人である私の責任になるのだから、〇〇が何をやっているのか見届ける いわば私の義務なのだ だからこそ、〇〇が妙な事をしている現場を押さえるために、気配を消して物陰に隠れながら〇〇をさがす そう、決して心配なんかしていない 「強がっちゃって」 スキマが小さく開き、また紫の声がする 黙殺 これ以上付き合っても腹が立つだけだし、だいいち〇〇に気づかれてはいけないのだから 「ほらほら、一人お一つでお願いします おじさん、あなた二回目ですね。いけません、数には限りがあるんですよ カボチャは一人一つ、葱は一本芋は5個、米は五合にイチゴは五粒までですからね」 さほど苦労もなく、〇〇は村の貧民外で見つかった 人間は〇〇の周りに集まっており、誰も私に気がついている様子は無い。好都合だ それでもばれないように遠まきに見ているが、声は聞こえてくる どうやらここの人間に持ち出した作物を配っているらしい 信用していたわけじゃないけど、紫の言うような事態になっていなかった事に、深く嘆息した 「あらあら、やっとホッとしたの?」 私が暴れられないのを承知で、紫が神経を逆撫でしてくる 「で、何が面白いのよ ただ野菜を配ってるだけじゃない」 「質問を質問で返すのは……まあいいわ、ちょっと黙って見てなさい 〇〇が、面白い事を言うはずだから」 はじめに話してきたのは誰よ その言葉を飲み込んで、〇〇を観察する そうこうしているうちに、この場所での配付は終わったらしい 去り際に、〇〇は言った 「皆さん、この作物は私のお嬢様―――風見幽香様からの下さり物です どうか、お嬢様への感謝を忘れないで下さい」 「は?」 思わず声が漏れたのは〇〇の言った事に対してだけじゃなく、私はいきなり不意をつかれ、スキマに呑まれていたからだ 「紫! あんた何を」 「静かに」 そう言うと、暗闇のスキマに一筋光が入り、外の様子をうかがうことができた 見るといつの間にか、あの新聞屋が〇〇に話を聞こうとしている なるほど。いくら気配を消していても、あれだけ近づかれれば間違いなくバレる しゃくな話だけど、今回ばかりは紫に感謝しなきゃならないみたいね 「……ありがとう」 「あら、あの風見幽香がお礼を言うなんて珍しい どういう心境の変化かじっくり聞いてみたいけれど、今は〇〇と天狗の話を聞いてみましょ」 「文文。新聞の射命丸 文といいますけど、〇〇さんですよね? あの風見幽香の執事をされているとか」 「ええ、貴方とは一度宴会の際にお目にかかっております それと、私は執事ではなく奴隷です」 「奴隷…執事か使用人じゃなくてですか?」 「いえ、奴隷です そのような地位は私には不釣合いですので」 「……ずいぶん丁寧な話し方をするんですね もうちょっとくだけた感じで話せませんか?」 「ご容赦下さい もともと言葉遣いはぞんざいな方なので、一度気を抜いてしまうと戻すのが大変でして」 「そうですか それじゃあ、ちょっとあなたのことについていろいろと取材をお願いしたいんですけれど」 「私のこと、ですか? かしこまりました。記事になるような事があるとは思えませんが、なんなりとお聞き下さい」 「それでは、まずは〇〇さんが執事…じゃなくて奴隷になったきっかけは何ですか?」 「私が、何があったかはわかりませんが外の世界から幻想郷に投げ出され ひまわり畑で気絶していたところを、お嬢様に拾っていただいたのが始まりです」 「けど、そこからどうして突然奴隷になると言う話に? やっぱり、はじめは無理やりやらされたとかですか?」 「いえ、私の方から働かせて欲しいとお願いしたんです」 「それはまた、どうして?」 「…………」 「?」 「……下賤な話ですが、お嬢様が、あまりにお美しかったためです 助けられただけの縁で、そのまま離れたくないと思ってしまったのです 今考えると、分不相応もはなはだしいお話で、汗顔の至りですが」 「いいじゃないですか、奴隷と女主人 ロマンスや記事と言うものはそんなところから始まるんですよ!」 「からかわないでください」 「あはは それで、今ではどうなんです」 「今では とは?」 「ですから、今も風見さんの事は好きなんですか? むろんLOVE的な意味で」 「……不敬なお話になってしまいますので、ノーコメントでお願いします」 「えー」 「今は、お嬢様にお使えする事が私の喜びです これ以上はどうかご勘弁を」 「ですって、幽香」 「……」 「離れたくないと思われてたんですって、妬けるわねぇ」 うるさいうるさい、自分の顔が赤いことが分かるだけに、スキマ内が暗いのが本当に救いだ 「あ あったりまえでしょ 私ともなれば、そんな奴隷志願の男なんて星の数ほどいるわよ」 嘘だ 私の奴隷どころか、私を知って近づいてくる男というだけでも珍しい 「それじゃあ、そんな星の数ほどいる男の中でも、あなたが重宝してるのは〇〇だけなのね やっぱり妬けるわぁ」 「……」 またデュアルスパークでも撃ち込んでやりたいが、それでスキマを追い出されても困る 私は少ない忍耐をどうにかやりくりしてしのごうと決めた 「それじゃあ本題ですけど、今は何を?」 「お嬢様からいただいた作物を、近隣の村に配って回っています 私が持っていてもしかたありませんからね」 「それは〇〇さんの意思で行ってる事ですよね? しかし、村の人には風見さんからのプレゼントだと言っているのは?」 「一切嘘は申しておりません 私は、この作物はお嬢様からの下さり物だと言っているだけですので」 「そうですね。でも私が聞きたいのは詭弁じゃなく、意図なんですが」 「う……」 「だいたいの察しは着いています。けれど、私は本人の口から聞いたことを記事にしたいんです」 「そうね、私もそこが気になってるのよ」 なんで〇〇は、自分ではなくわざわざ私の名を騙って感謝されるような事をしたのか 「はぁ……幽香は本当に人心に疎いわね」 「分かったような事を言わないでちょうだい 人心なんて知りたくも無いわ」 「そう?〇〇の事なんて知りたくはない?」 「みんな知ってるわ。だって私は」 「〇〇の主だから?それならどうして、ほとんど面識のない天狗は分かってる事をあなたは分からないの? それで主だと言えるの?」 感情が爆発しそうになったのは、今日だけで何度目だろう けれども、紫の言うとうりだ 認めよう 私のことを知り尽くした〇〇と違い、私は〇〇のことを何も知らない 「知ってのとうり、お嬢様の人間への友好度は最低とされてしまっています しかし、そのお嬢様が何の面識のない私を助け、お雇いくださいました たとえそれが気まぐれでも お嬢様が本当はお優しい方だというのは、僭越ながら私が誰よりもわかっていると自負しております 村の人々が思っているような悪鬼羅刹とは、お嬢様は違うのです」 「だから、そのイメージを払拭したい、と言うんですね」 「払拭は難しいでしょう。現にお嬢様は人間があまり好きでは無いようですので しかし、お仕えするお嬢様があからさまに人間に嫌悪されているのは、同じ人間としてとてもつらいのです 勝手な理屈だと理解しております、なので、できればこの辺の事情はカットしていただければ幸いです」 「分かりました ただし、あなたたちの間に何か進展があった場合はすぐに報せる これが条件です」 「それでは一生お呼びする事がないかと思われますが、承知いたしました」 「いえ、私の記者の勘が騒ぐんですよ この二人から眼を離すなって 何なら賭けません?」 「私は何も進展が無い方に、ですか? 止めておきましょう。身分違いの恋とはいえ、わざわざ自分を貶めて楽しむ趣味はありませんので」 「あれ? 風見さんへの感情についてはノーコメントだったはずでは(ニヤニヤ)?」 「……狙いましたね? 願わくば今のところもカットしておいて欲しいのですが」 「あ、それは無理です」 「あっの……馬鹿……!」 スキマを力任せに広げて出て行こうとする私を、紫が止める 「何を怒ってるのかしら 〇〇の独断行動? 優しいと勝手に思われてた事? それとも、〇〇があなたを愛していた事?」 「全部よ!全部!」 「幽香、少し黙りなさい」 余裕が無くなっていた私は、不覚にも紫の威圧に気おされた 認めたくは無いけど、こいつだって一応は大妖怪なのだ(私ほどじゃないことは言うまでもないけど) 「〇〇は確かに身勝手で、勘違いをして、身分もわきまえない男かもしれない でも、その行動の根幹にあるのは、みんなあなたのためなのよ 感情をぶつけるのも結構だけど、それくらいは考えてあげても考えてあげてもいいんじゃない?」 「……あんた、さっきからずいぶん〇〇の肩を持つのね」 「そうね ただの人間が静かに、けれど一途に、本気で一所懸命生きている それがまぶしいのか、うらやましいのか……嫉妬してるのかもしれないわ」 「……」 「最後に聞きたいんですが、怖いと思うことはないんですか?あの風見幽香の下で働くなんて」 「ないです」 「一度も?」 「ええ、お嬢様はそのお力と振る舞いのせいで誤解されやすいのです しかし、先ほども言いましたが、お嬢様は本当はとてもお優しい方なのです もっとも、お嬢様は素直ではないので、そう言われるのを極端にお嫌いになりますが」 「でも、あなたの仕える妖怪は人食いですよ そんな現場に居合わせても、あなたは平然としていられますか?」 「そうですね……私は、奴隷である以前に人間です 情けない話ですが、そのような現場を見てしまった後に、お嬢様に恐れを抱かないかと聞かれましても 首を縦にふれるだけの自信が、私にはありません……」 「それはそうですよ 私の聞き方も意地悪でしたね すみません」 「……」 「あらあら、さっきまでの覇気はどうしたの?」 「うるさいわね」 「お優しいゆうかりんも、〇〇に恐れられるかもしれないとなって、ずいぶん堪えたみたいね」 「……もう帰るわ。あんた、〇〇を見ててあげてちょうだい、どうせ暇なんでしょ」 「いいわよ。〇〇は面白いものを見聞きさせてくれたもの でもね、幽香」 ふざけた口調と雰囲気が、消える 何を言おうとしてるのかは、私にだってわかってる 「私たちは人食いの妖怪、それは事実であり、絶対に変わらない そして、人間は基本的に同属を殺すものを忌避する生き物 そんなわかりきった事をことを指摘されただけで、あなたは何を悩んでいるのかしら」 分かりきった事を、噛んでふくめるように話す 知っていても聞きたく無かった事 言われなくても分かっている事が、胸に突き刺さる 「うるさいっ! 私は帰りたいのよ、さっさとここから出しなさい!」 そして、分かっているからこそ、そんな事に悩む自分自身に腹が立ってくるのだ 紫は何も言わず、私をスキマから追い出し、消えた 〇〇と新聞屋は、もうそこにはいなかった 私の家までは、飛べば数十分で帰る事ができる けれど、今はその飛ぶために必要なほんの少しの集中さえできず、数時間の道のりを歩いている それに、こうしていた方が今の私にはちょうどいい 家に残る〇〇の残り香を感じてしまえば、また余計な事を考えてしまう 幻想郷最強の妖怪が、一人の人間のせいでこんなに悩むなんてことはあってはならないのだ 「で、なんでここにいるの?」 「いいじゃない この神社は帰り道だし、私の話をまともに聞いてくれるのは霊夢くらいしか思いつかないの あと、茶化されたり真面目に聞かれなかったりしたら、今の私は本気で暴れないって自信がないわよ」 「さりげなく脅迫するのはやめてくれる それとここは神社よ。話を聞いて欲しいなら、相応の代価は必要だと思うけど」 「賽銭箱にならスイカの種を入れといたわ どうせこれからも賽銭なんて入らないんだから、そのうち美味しいスイカが生るわよ よかったわね」 「賽銭箱に水をやるような事にはなりたくないわ」 その後、霊夢に泣きつかれ(今月は本気で苦しいらしい)賽銭を支払い、ここまでの経緯を話す けれど、だんだんと霊夢が本気で聞いてるとはどうも思えない態度になってきた 「霊夢、真面目に聞かれなかったりしたら暴れるかもって、言ったわよね?」 これでも霊夢は妖怪退治のプロだ、なら私が本気だともわかるだろう 「惚気話なんか聞きたくも無いわ 悩みがあるって言うから、真面目に聞いてた私が馬鹿みたいじゃないのよ」 しかし、どうやら耐えがたかったのは相手も同じだったらしい 「誰が、いつ、どこでそんな話をしたって言うのよ」 「あんたが、今、ここでよ。 要約すると [自分のことを何でも知ってる〇〇が自分を好きだと分かった だけど自分は〇〇の事をどう思ってるのか分からない] だからここに愚痴りに来た 違う?」 「違うわね 私は〇〇の事なんて奴隷としか思ってないわ」 「だったらいいじゃない さっさと家から追い出してしまえば、あんたの頭痛の種はなくなるわよ」 「……」 それは分かってる、でもそういう問題じゃない 「これ以上惚気を聞かされるのはたくさん もうおなかいっぱい でもね、一つだけ言わせてもらうわ あんたは奴隷としか思ってない男のために、自分の弱さを吐くような妖怪ではないはずよ」 あの巫女は何の役にも立たない この胸のモヤモヤを吐き出すために賽銭も払ったというのに、余計に落ち込ませるとはどういうことだ 〇〇を追い出してしまえ? できるならとっくにそうしている 家事だけなら、去年まではずっとやってきた事だ 難しい事じゃない けれど、今日一日……いや、半日で全て分かってしまった 私はもう、あの一人ぼっちの暮らしには戻れない 幻想郷最強のプライドにかけて、今まで寂しかった なんて絶対に認めない それでも、以前一人で暮らしていた頃の生活には、今のような活気は無かった 〇〇は何も考えない毛玉や雑魚妖精とは違う いつも私の言う事に従っているだけのようで、逆らう事も少なくは無かった そんなやり取りも、私は嫌いではなかった 『お嬢様、畑の拡張は今ではなく、寒気が過ぎてからにすべきです』 『湯浴みは毎日すべきです、新陳代謝が活発になるのですよ』 『畑に近づく妖精も、悪気があるわけではないのです 問答無用で排除はいただけません』 意見するたび私に怒られようと、〇〇は簡単に意見を曲げなかった そして、〇〇の言う事はいつも正しかった そんなやり取りは嫌いじゃない、けれど私は逆らわれた怒りから〇〇をなじり、時には暴力を振るう事もあった それでも、〇〇は私を優しいと言ってくれた 「私の何が優しいって言うの? わからないわよ、〇〇……」 夕焼けに染まる眼前に、ようやく私のひまわり畑がひらけてきた 「お嬢様」 「!?」 その畑の真ん中に、〇〇がいた 服はいつものYシャツにタキシード 私の帰りを待っていたのだと、一目で知れる いつ戻るのか分からない私を、ここで? 「あなた……なにやってるのよ? 今日は休暇のはずでしょう?」 「そうなのですが、イタリアンコーヒーは時間がたつと味が劣化してしまいますので、新しく煎れ直しに戻りました そうしましたら壁に穴が開いて、その近くにはお嬢様ご愛用の日傘の残骸が落ちているではありませんか これは休んでいる場合ではないと思い、お勤めに復帰した次第でございます」 そう言って、定位置―――私の右隣に立つ 「……どうして私が泊り込んでくると思わず、ここで待っていたの?」 「お嬢様は、お出かけの際はどんな天候であろうと日傘を欠かしません そこで傘掛けを調べましたところ、残骸となった一本以外はなくなっておりませんでした この時点で遠出はしていないと当たりをつけました そしてお嬢様は、日暮れまでにここに戻らない事はほとんどありません ですので、夕焼けが出てきた頃にここにいれば、お迎えできると思ったのです」 屈託のない笑顔 それは、私の威厳を損なうから、と 誰かといるときには決してしない、私にしか見せない笑顔だった 憎たらしい 憎たらしいまでに 私のことを知っている 憎たらしいまでに 私のことを考えてくれている 憎たらしいまでに 私のことを思っていてくれる 憎たらしいけれど、認めたくはないけれど、確かに私は今、嬉しいと思った けれど、駄目だ この嬉しさ、優しさを享受してしまえば、私はきっと弱くなる 最強の妖怪ではなくなってしまう そんな明確な恐れが、確信としてあった 「どうしてよ……」 「はい?」 「どうしてあなたは、私なんかのためにこうまで尽くそうとするのよ! 私は、〇〇とは違う、人食いの妖怪よ! 怖いんでしょ? 恐ろしいんでしょ!? だったら逃げなさいよ! 許しを乞いなさいよ! お願いだから、そんな優しい笑顔で私を見ないでよ!!」 最後に、本心を吐いた そうだ 私は最強の妖怪 その強さから、人間に恐れられるべき存在 その妖怪が人間に優しさをもらうなんて、出来の悪い笑い話か陳腐な御伽噺くらいなものだ 「……失礼します」 腕が、私の背に回る 眼の前に、暖かい体 首元の吐息は、まぎれもなく〇〇のもの 数秒、時が止まる 「お嬢様 私には、お嬢様が何をお悩みになっているのかわかりません しかし、私はどんな時もお嬢様のお側にいます 私の居場所は、ここにしかないんです 奴隷の分をわきまえていないと思われるでしょうが、あえて言わせてください 私は お嬢様――風見幽香を、愛しています」 頬を伝うのが、数百年ぶりの涙だと気がつくのに数秒かかった 私は弱くなった やっぱり、いまさら虚勢を張っても無駄だったんだ 私たちは比翼の鳥 片割れがいなくては、もう空は飛べない 「あなたは、ずっと私といてくれるの……? 病める時も 健やかなる時も 富める時も 貧しき時も 死が二人を分かつまで……」 「死してもなお、彼岸の彼方からでも、お嬢様の元へ帰ります」 〇〇なら、本当に帰ってきてくれる 今の私なら、心からそう信じられた 「ところでお嬢様、先ほどの言葉は……」 「分かってるでしょ……馬鹿」 〇〇の腕から離れ、見つめあう きっと私の顔も、今の〇〇に負けないくらいに真っ赤になってるだろう そのまま、距離がゼロになる それは、お互い初めての経験だったんだと分かるほど稚拙で、つたなく、けれど甘い口づけだった 〈おまけ〉 「これでどうかしら?」 「あやややや さすが紫さんです! これは前代未聞の一大スクープになりますよ!」 「ええ、だって幽香は私に言ったのよ『〇〇を見ててあげてちょうだい』 って それがいつまでなのか言ってないんだもの だから、日暮れまでずっと〇〇に張り付いてたおかげで、こんな大ニュースを見つけちゃったのよ」 「くうっ! こうなると分かっていたら私も〇〇さんにはりついていたのに……!」 「いいじゃない、これで天狗の新聞大会優勝はもらったようなものでしょ?」 「そうですね。けれど、どうしてこんな大事を私に?」 「そうねぇ……しいて言うなら、あなたが一番[早い]から かしら」 「は?」 「幽香は、[最強の妖怪]っていう肩書きに見合うように、ずっと肩肘を張って生きてきたの だから、今回の事が知れ渡れば、もっと伸び伸びと生きていける そう思ったのよ」 「……もしかして、紫さんて案外いい人ですか?」 「よしてちょうだい 私はこの幻想郷全てが愛おしいの 幽香もその例外に漏れない それだけの事よ」 「そうですか……それでは、明日の号外に間に合わせるため、戻って記事を書かせてもらいます 今回の埋め合わせはかならずしますので!」 「ええ、期待しないで待ってるわ」 新ろだ2-170 重苦しい、というより果てしなく冷たい空気を感じる現在の俺の部屋。 正座して床をひたすらに眺めているのが俺で、そんな俺を恐ろしい程無表情で見下しているが幽香。 もう30分位はこんな状態が続いているだろうか。 全ての発端は昨日の深夜頃。 命蓮寺の女傑から好意をよせられている男がラブプラスを発見されたのが始まりらしい。 そのニュースは幻想郷最速の天狗の新聞によって瞬く間に女性達の間に広まった。 幽香はそれを今日の昼に博麗神社で聞いてきたらしく、家に帰ると俺にDSの提示を要求してきた。 もちろん新聞を見てラブプラスの危険性を知っていた俺は後ろを向いてソフトを抜きDSを渡す。 ゲームの事を詳しく知らない幽香ならこれで大丈夫だろうと油断したのが失敗か。 一瞬で押し倒され、手に隠し持っていたソフトを奪われタイトルを読み上げられる。 そして表情の凍りついた幽香に正座を命じられ現在に至る。 「ねぇ○○?」 「は、はい何でございましょうか」 感情の感じられない平坦な声で話しかけられる。 静かでそれでいて激しいプレッシャーが俺を押しつぶそうとしている。 はっきり言ってめちゃくちゃに怖い。 「確かに私はそのゲームを貴方が持っていたら怒るつもりだったわ」 そう呟いた幽香の声には温度がない。 怒っていないのか。 いや、激しすぎる感情は目や声から感情を隠す。 これはまさしくそういう事なのか。 「でも問題はそこじゃないわ。どこだかわかるかしら」 淡々と告げる幽香の迫力に冷や汗がどっと流れる。 震える唇をどうにか動かして答える。 「隠した事でございます」 「そうよねぇ」 まるで子供に話しかける様に優しく、甘い声を出す。 それでも感じる迫力は一切の衰えをみせない。 「なら、なんで隠したのかしら」 「っ…………」 ここに来て、幽香の声に激情が混じる。 今まで感じていた物と比べるのが馬鹿らしくなるほど巨大なプレッシャーを受ける。 もはや呼吸すらぎりぎりといった塩梅だ。 何故隠したか、それは勿論―――― 「悪いと思っているからよね」 「その通りです、申し訳ありませんでした」 土下座を更に深くして全力謝罪。 謝るときはタイミングを見計らう。 俺が社会に出て学んだ事だ、正直今になるまで謝る事すらできなかっただけだが。 深い土下座をしてから十数秒。 はぁ、と息を吐いて幽香がプレッシャーを治める。 許してもらえたのか? 「○○」 「はい」 頭を下げたまま答える。 いつもならここらへんで多少の暴力とか、少々無茶な命令とか、暴力とかが来るんだが。 「顔を上げなさい」 ビンタぐらい来ると思い顔を上げる。 と、膝立ちになっていた幽香に抱き締められる。 胸に顔が埋まり、とっさの事に俺の思考の全てが停止する。 「ふぁ、ふぁにを(な、何を)」 「ゲームでまで恋愛をするって事は、私じゃ足りないのかしら」 そんな事はない、と言おうとするが幽香の独白は続く。 「たしかに私は少々暴力的だわ。そこが駄目なのかしら」 それに何より、と言い。 「私達は妖怪と人間だもの、やっぱり考え方が違うのかしら」 一緒にいるだけで私は幸せなのにね。 寂しげに、ポツリと呟いた幽香の言葉にカッとなり、衝動のままに幽香を押し倒す。 「きゃっ」 「違わないさ」 かわいい悲鳴を上げた幽香の顔の両側に手をつき。 「確かに好奇心であのゲームに手を出したけど、俺は幽香の事を何より愛してる」 驚いたのか幽香が目をきょとんとさせている。 それに、 「考え方は違うかもしれない。でも幽香と一緒にいるだけで俺は幸せだ」 そこまで言い切ってから、どうだと目を覗き込む。 すると言われた事をまだ理解できていないのか、目をまんまるに見開いている。 そしてゆっくりと頬を朱に染めていく。 あっ、かわいいな、と思った瞬間幽香の手が俺の頬にそえられ顔を引きよせられる。 もとから近くにあった二人の顔はあっという間に近づき唇が重なる。 俺も幽香の腰と首に手を回して口づけを深くする。 「んっ、ん……………はあっ」 長い口づけを終え、息も絶え絶えになった幽香の濡れた瞳を視た俺は手を服に伸ばしていって………… 「ふふっ」 行為のあと片づけを終え、二人で途中に移動したベッドのシーツに包まっていると幽香がこちらを見て微笑んだ。 「どうしたんだ」 「だってこれだけ貰えたんだもの。女として幸せでしょう?」 お腹をさすりながらの幽香のストレートな言葉に赤面し声がつまる。 途中からあまりのかわいさに暴走しだしたが、もう少し恥じらってほしいというか何というか。 「もうあのゲームは必要ないかしら?」 言われて少したって言葉を理解する。 そういえば今回の発端はラブプラスだっけ。 元から興味で買っただけだし、殆どプレイしてないんだけど。 今さらそんな言い訳をする気もない。 なら俺がするべき返事は、 「勿論。俺には幽香がいるからな」 他に何も必要ないさ。 返事にはにかんだ幽香はシーツの中に顔を隠した。 ――――――――――――(あとがき)――――――――――― なんか最後のあたりがうまくいかなかった気がする 流れを視ての突貫工事だから誤字等はスルーして貰えると嬉しい それでは ノシ ――――――――――――――――――――――――――――― ――――――1ヶ月後、ある日の昼 「結局幻想郷のラブプラス所持者は全員没収されたのか」 あれから日がたち、多くの同志の末路を聞いた。 没収されていちゃついたり、奢らさせられたり、いちゃついたり。 結局大多数がいいおもいをしているんじゃないか、という意見はスルーしておく。 「そういえば、あの日以来幽香が妙におとなしいんだよな」 それにいちいち可愛らしいし。 あー、思い出しただけで興奮してきた。 団扇で風を送って顔の熱を冷ましていると、外出をしていた幽香が帰ってきた。 「今帰ったわ」 そちらに顔を向けると、嬉しそうでどこかそわそわした顔をした幽香がいた。 「どこに行ってたんだ?」 「永遠亭よ」 台所に向かいながら幽香が答える。 なにか用事があったんだろうか。 まさか病気かと思ったが、あの表情なら違うだろう。 「俺も昼飯食って仕事に戻るかな」 「がんばって稼いできなさいね」 初めて言われた言葉にかたまっていると、台所から顔だけをのぞかせた幽香がいたずらな笑みで、 「来年ぐらいに家族が増えるんだからね、お父さん」 Megalith 2010/11/03 「ねえ、私のモノにならない?」 輪郭を確かめるように、男の頬や首を優しく撫でながら幽香は笑う。 その笑顔はこじんまりとした部屋の中で、そこだけ花が咲いているのではないかと思うほどに目を惹く美しさであり、何も知らぬ者ならばすぐに魅了され、無意識の内に首を縦に振っていたかもしれない。 しかし男はその手を払い除けると、呆れた表情で彼女に返事をした。 「何度言われようがお断りだ」 男のその言葉を、幽香は事前に予想していたのか『残念ねぇ』と軽く返す。 そして少し離れた椅子に座ると、男が用意してあった紅茶を飲み始めた。 「こうして歓迎はしてくれるのにつれないわね」 「何度もやって来るから仕方なく用意しているだけだよ」 「その割には紅茶の淹れ方に気を使ってるようだけど」 「……機嫌を悪くされて、うちを破壊でもされたら堪らないからな」 綺麗な花には棘がある、という言葉の信憑性は定かではないが、彼女もその言葉通り、ただの人間ではなかった。いや、人間ですらなかった。 四季のフラワーマスター。それが、妖怪である彼女の持つ二つ名だ。 しかも、危険度は極高で人間友好度は最悪などと、とある本にも記されている妖怪の中でもひときわ危険な存在だった。 だが男はその鋭い棘を恐れて、逃げ出すようなことはせず、彼女を持て成している。 「家の心配よりも自分の心配をしたらどう?」 「どういう意味だ?」 「だって、あまりに無防備なんだもの」 先程の笑顔と違い、今度は『くすくす』と怪しげに笑う。 その先の言葉を聞きたがっている男の様子をじっくりと眺め、そして焦らすように紅茶を一口飲んだ後、ゆっくりと続きを口にする。 「あのまま私が貴方の首を締めていたかもしれないのに」 「……それは物騒なことだな」 「ええ、私は妖怪だもの。それはそれは物騒な存在ね」 思わず男は首に手をやり、その無事を確認する。 何もされていないことは理解していたが、反射的に首を締められる想像をしてしまったからだった。 軽く深呼吸し呼吸を整えると、男は今の言葉の意図を考える。 「……脅しか、それは」 「さて、どうでしょうね」 相変わらず楽しそうに笑みを浮かべ、はぐらかす彼女に男は重圧を感じていた。 しかし、ただの人間である男は、ただの人間でしかないからこそ、強い意志をもって彼女に告げる。 「好きにすればいい」 「何を?」 「そうやって俺を言葉で脅してもいいし、首を締めて服従を誓わせようとしてもいいって事だ」 「そうしたら貴方は頷くのかしら」 「何をされても、何度やられてもお断りだ」 圧倒的な力の差がある妖怪に対して、それでも男は引かなかった。 そもそもそんな気があれば、とっくに行動しているだろうという予想があったし、行動されたらどうしようもないという諦めがあったし、何よりも彼女のモノにはなりたくない理由があったからだ。 「随分と勇ましいのね」 「お褒めに預かり、光栄だよ」 飲み終えた紅茶のカップを置き、幽香は立ち上がると、そのまま男に近づいて行く。 そして、始めにしたように彼女はまた男の顔を優しく撫でる。 しかし、先程のような笑みはなく、その眼は男の眼をまっすぐと捉えている。 「ねえ、どうして私が毎回あんな質問をするか分かる?」 「それは……」 「どうして今日まで脅すような真似をしなかったのか分かる?」 男の中で答えは出ていた。 しかしそれを口にすることは出来なかった。彼女が撫でる手を首に移したからではない。 本能的な恐怖も確かに存在したが、男にはこのまま殺されてもよいという覚悟があった。 それよりも本当に怖いのは、臆病者の自分が恐れているものは。 「分からないなら……教えてあげる」 互いの息が感じられるところまで二人の距離が近づく。 首に腕が回され、男の視界と思考が彼女に埋め尽くされ、そして。 ――――男は、幽香とキスをした。 「……んっ……んん……っはぁ」 突然の行動に戸惑う男を気にせず、彼女はキスを続ける。 一度行為に及んでしまったことで抑えが効かなくなったのか、それは貪るように長く激しく。 そして男の息が続かなくなる寸前になり、ようやく二人の距離が離れた。 「どう、これで分かったかしら?」 「……んぁ……はあっ……はあっ」 「情けないわね、貴方」 「……そっちが、急に……こんなことを、するから……だろっ!」 荒い呼吸を繰り返しながらも男は反論する。 だが彼女の真剣な顔を見てすぐに別の事を言っているのだと気づく。 「殺されるよりも怖いというのね。私に拒絶されることが」 「……ああ、そうだ」 私のモノにならないかと尋ねる理由も。 脅すような真似を今までしなかった理由も。 彼女がこうして何度もやってくる理由も。 勘のいい巫女や、心の読める覚りでなくとも分からないはずがなかった。 しかし男は、それを怖くて受け入れられなかったのだ。 「私のモノにはなりたくないのでしょう?」 「……ああ」 ただの人間と強大な力を持つ妖怪が釣り合うはずがない。 だから、始めてそう尋ねられた時はそれもいいかと、男は思っていた。 けれど、それ以上に彼女と対等でありたいと強く願っていた。 「なら、そのぐらいの勇気は出しなさい。でないと次は本当に我慢できなくなりそうだわ」 「情けない奴だな、本当に俺は……」 「……始めは楽しんでいたのに、待てなくなった私も似たようなものよ」 そっぽを向いてそう呟く彼女を見て、男は更に情けなくなる。 対等でいたいと願う癖に彼女も同じように悩むことがあるのだと初めて気がついたからだ。 人間と妖怪だから、と枠を作っていたのは他ならぬ自分だったのだと男は反省する。 そして、今までの臆病な自分と決別するために、男は彼女に向き合い、はっきりと口にする。 「愛している、幽香。俺と付き合ってくれないか」 これには流石の彼女も驚いたのか目を丸くする。 けれど、すぐに意地の悪い怪しげな笑みを湛えると、不安気に返事を待つ男の様子をじっくりと眺め、焦らすようして頬を撫でた後に、ゆっくりと言葉を口にする。 「返事が分からないなら……また教えてあげる」 それは、一度目の時よりもずっと長い彼女の答えだった。 一、二レスで収めようとしたら長くなったのでこちらに。 書いてみるとどうもイチャまでのテンポが悪くなりがちですが、これぐらいなら大丈夫かな?
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autolink TH-0040 カード名:風見 幽香 読み:かざみ ゆうか カテゴリ:キャラクター 属性:花 EX:花1 コスト:花花花花花 登場位置: ●-● -●- AP:5 DP:5 SP:0 陣営:無し 基本能力:デッキボーナス[自分のデッキを1枚破棄する] 特殊能力: 四季のフラワーマスター このキャラが登場したとき、自分のゴミ箱のカードをランダムに1枚、持ち主の手札に入れる。 性別:女 レアリティ:R illust:朱シオ 厳しい色拘束ながらも破格のスペックを誇る彼女。 しかも登場すれば手札が1枚増えるため、3~4コストの中堅キャラと変わらないコストで登場できる。 さすがは幻想郷最強クラスと噂される大妖怪だがテキストをよく読んでほしい。 デッキボーナスに[自分のデッキを1枚破棄する]と記されている。 ダメージを与える度に自分側までダメージを受けてしまう。実質的打点差は4点なのだ。 性格にも能力にも登場コストにも癖のある彼女を使いこなすかはキミたちが選ぶといい。 彼女の登場に合わせて、寅丸 星の特殊能力を対応宣言しゴミ箱のカードを0枚にすれば手札に加えられないかというとそうではない。 風見 幽香を登場した対応にコンプリートクラリフィケイションを使用した際の解決手順 「コンプリートクラリフィケイション」の処理⇒「風見 幽香のコストとして支払ったカードをゴミ箱に送る」⇒「風見 幽香の登場」 (登場コストとして支払うカードがゴミ箱に送られるため安心して手札に加えていい) 関連項目 幽香 花 風見 幽香(幻想「花鳥風月、嘯風弄月」) 宙
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風見幽香 加入場所 [花畑] ステータス倍率 HP★★★★★ MP★★★★☆ 攻撃★★★★★☆ 防御★★☆ 魔攻★★★★★☆ 魔防★★★★ 命中★★★ 回避★★ スキルツリー スキル名 前提スキル 種別 対象 消費MP 詠唱時間 効果 射程・範囲 アイビーウィップ ― アクティブ キャラ 6~ 0 蔓の鞭。通常より威力の高いダメージ。 射程:隣接1 ロータスガーデン アイビーウィップ3インペディングテラー1 アクティブ 床 16~25 0 範囲内に物理ダメージ。 射程:隣接0~1範囲:前方に十字 計5マス フラワーシューティング アイビーウィップ5 アクティブ キャラ 16~25 0 花を撃ちまくる。遠距離に地属性の物理ダメージ。 射程:◇1~5 月下美人 フラワーシューティング3ロータスガーデン5 アクティブ キャラ 敵単体に攻撃力と魔法攻撃の両方を使った地属性のダメージ。 射程:◇1~5 蓬莱桜花 フラワーシューティング5 アクティブ 床 33~60 1000~5500 広範囲に地属性の魔法ダメージ。 射程:◇0~7範囲:◇0~3 アポカリプスパーク 蓬莱桜花10怒りの波動5 アクティブ 床 33~60 0 強烈なレーザーを照射する。広範囲に無属性の超魔法ダメージ。 射程:隣接0~1範囲:前面放射状 幻想郷の開花 ロータスガーデン10 アクティブ 使用者 天候を無視して花を咲かせる。天候を通常状態に戻す。 使用者 インペディングテラー ― アクティブ キャラ 相手に突進しながら攻撃する。対象の目の前まで瞬時に移動しながら攻撃。 射程:◇1~5 怒りの波動 恐怖の微笑み10 アクティブ 使用者 12~ 0 一時的に自分の攻撃と命中が大幅に上昇する。スキルレベルに応じて上昇量増加。 使用者 恐怖の微笑み 刺の体3 アクティブ キャラ 10 0 単体の攻撃を減少させる。スキルレベルに応じて減少量増加。 射程:◇1~7 太陽の覇者 刺の体1 パッシブ ― ― ― あらゆる植物の源の太陽。スキルレベルに応じて自然種族に追加ダメージ。 ― 刺の体 ― パッシブ ― ― ― ダメージを受けた時に一定量を反射するようになる。スキルレベルに応じて反射量増加。 ― ブロッサムウェーブ ― アクティブ キャラ 11~ 0 単体を停止状態にする。スキルレベルに応じて確率増加。 射程:◇1~5 不浄の花弁 刺の体5ブロッサムウェーブ3 アクティブ 床 地面に花の柱を設置する。スキルレベルに応じて耐久力が変化。 射程:◇1~5 スキル詳細 特殊装備 LV アイテム名 種別 能力値 効果 備考 毒針 ナイフ 14 稀に追加で毒 包丁 ナイフ 68 動物種族に+50% アサシンダガー ナイフ 104 人型種族に+50% レーヴァティン 刀剣 79 稀に追加で炎上 フェムトソード 刀剣 92 霊属性 3 炎の剣 刀剣 75 火属性 3 風の刃 刀剣 75 風属性 3 アクアカッター 刀剣 75 水属性 3 グランドエッジ 刀剣 75 地属性 6 楼観剣 刀剣 100 霊魂種族に+50% 7 ウィザードワンド 杖 73 魔攻+100 8 大地の杖 杖 80 魔攻+60 地属性与ダメ+50% 地属性 9 太陽の傘 刀剣 142 戦闘開始時に快晴状態に 火属性ダメージUp、水属性ダメージDown。火属性スキルが無いので本人にはメリット皆無 10 天叢雲剣 刀剣 170 HP,MP+25% ロンギヌス 槍 165 通常攻撃時与えたダメージの200%回復 特徴 アタッカー、鈍s HPは伸びやすい反面、防御は伸びにくいので反撃スキルがあるとはいえ盾としての運用は難しい 範囲、遠距離、突進技と物理アタッカーとしてのスキルは優秀 魔法型のアポカリプスパークも無詠唱広範囲高火力とかなり便利。 魔法型でも移動攻撃のインペディングテラーをLv1だけとっておくと何かと役に立つ。 1.21パッチでウィザードワンドが装備可能になった為、アポカリプスパークのダメージを底上げできるようになった。 幽香をメインで使っていくのであれば持たせておいて損はないだろう。 専用武器の太陽の傘は、本人にはメリットが無いため、使用するなら火属性を使うキャラと組ませた方が良いだろう。 名前 コメント
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【作品名】東方project 【ジャンル】弾幕STG、格闘ゲーム、漫画、小説etc 【名前】風見幽香 【属性】四季のフラワーマスター 【年齢】66歳よりは上 【長所】色んな奴を片っ端から虐めたりもするけど紳士的で礼儀正しく笑顔で挨拶したりする 【短所】映姫から「長生きし過ぎ」と言われるくらいだからもっと年増だろうけど情報がない 【備考】花映塚の時点で六十年昔が日常過ぎて忘れる程気にならないことを語っているので60歳以上 東方では基本的に紀年法は○○季という暦が用いられており、1季=1年に該当する 東方文花帖の文々。新聞だと花映塚が起こったのは第百二十季 東方求聞口授の文々。新聞の百二十六季が最新なので、6年は経過している つまり花映塚から今だと幽香は66歳以上 vol.1 修正 vol.4 98
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【セリフ】(怖いお姉さんな感じでお願いします) 1「久しぶり、魔理沙」 2「丁度今戻ってきた所よ」 3「それにしても、随分と荒らしてくれたものね。この子なんて根本から茎が折れてるわ。」 4「畑を荒らす害獣は駆除しなきゃいけないわねぇ」 5「この期に及んでマスタースパークを撃つだなんて、まだ荒らし足りないのかしら」 6「覚えておきなさい、今後花畑で誰かにマスタースパークを放つ時はね」 7「上から下に向けるのよ、マスタースパークを」 8「マスタースパー…」 9「誰かしら?」 10「そうなの?」 11「ふーん…」 12「最初から言えば良かったのに、ほら」 13「私の気が変わらないうちに持って行きなさい」 【出演シーン】 ~幽香の花畑~ 魔理沙「おーい!幽香ー!」 シーン 魔理沙「よし!留守ならちょっと借りても大丈夫だな!」 魔理沙「しかし…ニオイクロタネソウ、昔幽香の畑で見つけた気がして来てみたはいいが、一面季節外れの向日葵しか咲いてないぜ…」 魔理沙「ま、探してればそのうち出てくるだろ!」 魔理沙「あれでもないこれでもない」ガッサガッサ 前蹴りが飛んでくる 魔理沙「ぐぇ!!!」 幽香「久しぶり、魔理沙」 魔理沙「ゆ…幽香…いたのか…」 幽香「丁度今戻ってきた所よ」 幽香「それにしても、随分と荒らしてくれたものね。この子なんて根本から茎が折れてるわ。」 魔理沙「あ…」 幽香「畑を荒らす害獣は駆除しなきゃいけないわねぇ」 魔理沙(このままじゃやられる…先にマスタースパークを使うしかないか…!) 魔理沙「恋符・マスタースパーク!」 幽香が魔理沙の手首を持って上に上げる 上空にマスタースパークが放たれる 魔理沙(!…私のマスタースパークが!) 幽香「この期に及んでマスタースパークを撃つだなんて、まだ荒らし足りないのかしら」 幽香「覚えておきなさい、今後花畑で誰かにマスタースパークを放つ時はね」 幽香「上から下に向けるのよ、マスタースパークを」(座り込んだ魔理沙の頭に上から傘を押し付ける) 魔理沙(ぐっ…!このままじゃ幽香にマスタースパークされてしまう…!) 幽香「マスタースパー…」 大妖精「そこまでよ!」 幽香「誰かしら?」 大妖精「魔理沙さんがここに来たのは何か理由があってのことですよね?」 幽香「そうなの?」 魔理沙「あ、うん…」 魔理沙「実はかくかくしかじかで…」 大妖精「ということですって」 幽香「ふーん…」 魔理沙「ごめんなさい…」 幽香「最初から言えば良かったのに、ほら」 幽香が能力を使って地面からニオイクロタネソウを生やす 魔理沙「いいの…?」 幽香「私の気が変わらないうちに持って行きなさい」 魔理沙「ありがとな!」 魔理沙その場を去る 魔理沙「よし!なんとかなったぜ!」 急に上から魔理沙の目の前に現れる大妖精
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<名前> 幽香嬢 <スタイル>攻め <出現時間>仕事の後に <好きな役>一色に染めると綺麗よね <程度の能力>お花(植物)関係の仕事に就ける程度の能力 <好きな牌>ドラ <好きな花言葉>アヤメ「よい便りを待っています」 <好きな花>桜よ。 バラ科サクラ属の落葉高木であり、または低木。北半球の温帯~暖帯原産地なのよ。日本では3~5月。 花言葉は「心の美しさ・精神の美・優美な女性」なの。私もそういった女性になりたいわね。 <一言>それにしても幽香様はスタイルいいわよね。
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幽香 肩書き 種族 閃き コマンダー行動 陣形 得意術 盗み適性 フラワーマスター 妖怪・植物 太陽 太陽 - 太陽 8 LP 腕力 器用さ 素早さ 体力 魔力 意志力 魅力 14 16 20 11 19 23 16 18 HP 斬LV 打LV 突LV 射LV 体術LV 地術LV 天術LV 増幅LV 170+ 0 0 0 3 0 蒼龍4+ 太陽8+ 0 武器1 武器2 武器3 武器4 防具1 防具2 防具3 防具4 長弓 枯れない花の日傘 - - 術士のローブ シルティーク - - 技1 技2 技3 技4 術1 術2 術3 術4 スペルカード - - - - サンシャイン ナップ - - マスタースパーク HP成長 SP成長 WP成長 斬成長 打成長 突成長 射成長 体術成長 3 1 3 0 0 1 1 0 蒼龍成長 朱鳥成長 白虎成長 玄武成長 太陽成長 月成長 増幅成長 消費軽減 3 0 0 0 4 0 1 - トレード物件、風見フラワーガーデンのオーナー。 ランスの荷運びで盗賊からアジトの情報を聞き出し、アジトでリグルを助けていると仲間にできる。 リグルが帰ってくる前に一度でも仲間にしないと、それ以降仲間にできなくなる。案外盲点なので注意。 ニーナに準じて優しい性格をしているが、どつきまわすで怖い顔のカットインが出たりする。
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VIP東方キャラスレ幽香厨 【幽香^^】[消滅] 09年期に存在。語尾に「^^」をつける。 詳細は個別にて。 【雑草】 VIP東方スレを旧くから生き、現在もなお活動している古参の東方厨。 分類としては幽香厨にあたるが、活動の範囲が広くスキルも様々備えるため○○厨という括りに収められない。 幽香厨としては「風見幽香とかいうブス」という定型が知られている。 詳細は個別にて。
https://w.atwiki.jp/sengokumusou4-2/pages/55.html
概要 無双奥義 無双秘奥義 無双最終奥義(協力奥義) 無双奥義・皆伝 騎乗無双奥義 概要 無双ゲージを消費して行う、一種の必殺技。 発動中は無敵であるほか、攻撃範囲が通常時より広くなっている。 本作でも最大三本までゲージをストック可能だが、従来までのようなボタンの長押しではなく真・三國無双6以降のような単発式に変更され、 後半の締めの部分には新たに大技が発動するようになり、範囲や威力ともに強力になっている。 また、これまで発動時に出現する各武将をイメージした漢字は締め発動前に変更された(従来同様に奥義と秘奥義の二種類)。 ちなみに、前作まで出来たオリコンは、無双極意を発動することによって出来るように変更されている。 無双奥義 通常の無双奥義。 従来までのボタン長押し攻撃を繰り出した後、締めに大技を発動させる。 本作ではオリコンがなくなったので武将によっては当てづらいかもしれない(攻撃範囲が広がり当てやすくはなっている)。 無双秘奥義 体力ゲージが赤い状態で発動した場合の無双奥義。 締めの大技に入るまでの攻撃時間が長くなり、紅蓮属性が付加されるなど、各種性能が向上している。 本作には前作などにあった「虎乱」が無いため、純粋に赤ゲージ専用の技となった。 無双最終奥義(協力奥義) パートナー武将が近くにいて且つ手が雷で結ばれた状態で発動できる無双奥義。 締め発動までの長さは無双秘奥義と同じで、攻撃力が上がるだけでなく、夜叉属性が付加されるため体力が回復する。 無双奥義・皆伝 前作で追加された、無双奥義の最終形態。 無双極意状態で奥義を発動させるとこの形になる。 前作の締めにあたる部分だけが独立したものであり、通常の奥義とは異なる技と絶大な攻撃力を誇る。 ただし、発動後は極意が強制的に終了する(練技ゲージが空になる)ので、 練技ゲージの残量を見計らって発動させよう。 騎乗無双奥義 騎乗状態で発動した場合の無双奥義。 馬の体当たりが強化される従来の形に近い性能で、体力が赤い場合は秘奥義になる点も同じだが、 締めに馬上攻撃(ニュートラル△)が発動するようになったため、移動にはやや不向き。 性質上、奥義発動中は下馬できない。